苦しみを生む自動思考

自動思考は認知行動療法の用語で、何かの折につけ自動的に頭に浮かんでくる考えのことです。この考え方のパターンが人の言動の基本になっていて、それが不利益をもたらす場合は見直す必要があります。強すぎると不利益をもたらしてしまう典型的な自動思考のパターンを紹介していきたいと思います。

決め付け

自分自身や他人、出来事などをありのままに説明したり受け入れたり理解するのではなく、「白か黒か」(あるいは「善か悪か」「優れているか劣っているか」)といった特定の視点から決め付けてしまうこと

他者非難の例
  • どうせ自分は大学の成績が悪かった(劣った人間だ)
  • テニスを始めても運動神経の鈍い私は、どうせ上達しないだろう

決めつけ

現在の状況を作っているのは過去の経験・環境・運・取り組み方など様々な要因です。

しかし、そうした様々な条件を無視して自分が決めつけた特定の要因、遺伝子が良いかどうか、正しいか間違っているか、優れているか劣っているかなどから、現在の状況や未来・過去を解釈することを「決めつけ」と呼びます。

こうした傾向が強い人は・・

これまでにご紹介した円グラフ法や根拠の検討、根拠の質の検討に加えて、ネガティブなレッテルを検討する、多様性を探る、行動を変えることでネガティブな思考を修正するなどを行っ思考を再検討してみましょう。

ある程度であれば状況の判断が素早くできるなどのメリットあるのですが、この思考が強すぎると将来についての希望が見えずやる気をなくしたり、物事に積極的に取り組めなくなったり、感情が不安定になっていつもイライラしたり・・・人生の可能性を狭め、毎日が辛く苦しいものになってしまいます。