ワーク31:ストレス体験をマインドフルネスに受け止める

アドバイスする女性

自分がストレス体験をしていると気づいたら認知行動療法のモデルに沿ってセルフモニタリングを行いましょう。
これまでのワークを通して身につけたスキルを活かして、ストレス体験と距離を置いて優しく受け止め、興味を持って味わって、最後に優しく手放しましょう。自分のストレス体験を評価したり否定したりせず、ただ興味を持って体験し手放していくのです。

  • ストレッサー(外部環境)について
    Aさんっていつも人の悪口ばっかり言っている。
    私はそのことにストレスを感じてるんだな。
    Aさんの悪口に無理やり同意している自分に嫌気がさしているんだな。
  • 自動思考について
    せっかく仕事が終わって飲みに来ているのに、会社のこと思い出させないでよ。
    仕事で嫌な思いをしているのはあなただけじゃないよ。
    仕事のこと忘れたい。・・・私は仕事のこと忘れたがっているんだ。

    Aさんて人のマイナス面ばっかり見ているけど、Bさんって優しいところあるんだよ。
    Aさんの意見にうなづいている自分が情けないわ・・・自分の考えが言えない自分にストレスを感じているんだ・・・

  • 感情について
    あっなんかイライラしてきた。
    このイライラって体のどこで感じてるんだろう。
    頭の真ん中から服出してくる感じだ。イライラを感じてるとなんだか情けない感じもしてくる・・・胸の奥の方・・グッと押し付けられてる・・・イライラと情けない感じが行ったり来たり・・・この気持ちを受け止めて感じてみよう
  • 身体反応について
    なんか頭が痛くなってきた。体も重たいし・・・この感じをちゃんと感じてみよう。あれっなんか体の力が抜けてきた・・・この感じもこのまま感じてみよう。

  • 行動について
    私って聞きたくもない話を頑張って聞こうとしてるんだなぁ〜・・・。目の周りに力が入っているかも・・結構不機嫌な態度とっているかも・・・Aさんの目見れてないし・・・
    飲み会の女性

ストレス体験を嫌がったり、押さえ込んだりせずに「ありのまま受け入れて手放していく」ことがマインドフルネスな行為なのですが最初はかなり難しいと思います。
人は通常、頭に浮かんだことを絶えず評価し判断しているわけですから当然です。

しかし、生きていれば日々様々なストレス体験をするものです。
できればハッピーな体験だけをしてストレス体験は避けたり、忘れてしまったりしたいものです。

しかし、避けたり押さえ込もうとすればするほど、そのストレス体験からの影響を強く受けてしまうものです。
何も無理やりストレス体験を増やせと言っているわけではありません。

ストレス体験から受け取る様々な体験を、ただ受け止め、味わい手放す練習をすることで、そのストレスからの影響を緩和することができるようになっていきます。
ストレス体験からのネガティブな影響を強く受けなくなるために「マインドフルネス」に受け止めるというトレーニングを繰り返していきましょう。

さて、先ほども書きましたが、ストレス体験を嫌がったり、押さえ込んだりせずに「ありのまま受け入れて手放していく」のはとても難しいことです。
ストレス体験をマインドフルネスに受け止められるようになるためには、毎日の生活にマインドフルネスを取り入れていくことが必要になってくるでしょう。
日々の食事の時、通勤・通学の途中、休み時間など、長い時間出なくて良いのです。毎日少しずつマインドフルネスに物事をとらえる練習をしていきましょう。
ちょっと休憩・・食事の最初の一口だけ、コーヒーブレイクのコーヒーの一口目だけ、あの電柱まで歩く間など自分の集中力が続く最小単位でマインドフルネスを取り入れてみましょう。
マインドフルネスに過ごす時間が増えることで、様々ん感覚が繊細に、そして敏感になっていきます。

「お水ってこんなに甘かったっけ?」「ご飯ってこんなに噛みごたえがあったんだ」「息を吸う時ってこんなに胸が膨らむんだ」といった具合に様々なことを感じるようになるでしょう。
外を歩く時も太陽の光の暖かさ、風が頬をくすぐる感触、足の裏や腕の感覚、道端に咲く花、その度に湧き上がる感情や自動思考・・・・その時の体験とその体験の変化を感じられるようになっていきます。

苦しさ、辛さが続く原因の1つに時間が止まる、変化がなくなるということがあります。(こんなことがずっと続くんだぁ〜)
毎日の暮らしにマインドフルネスを取り入れることで、様々な変化を敏感に、そして繊細に感じ取れるようになっていきます。

変化や終わりを感じることができるようになることで、苦しさや辛さを軽減することができるようになって行きます。
これまでのワークを生活の中に取り入れ、繰り返し練習してマインドフルネスな感覚を磨いていきましょう。


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