認知行動療法は、気分や感情、行動(態度も含む)、認知(捉え方、考え方の癖)に焦点をあてて、問題を引き越している悪循環を特定して、その悪循環から脱出するために動療法的技法、認知的技法を組み合わせて使うプローチです。
認知行動療法の特徴
- 問題の悪循環に焦点をあてて、その解決に向けた具体的な方法を道筋を立てて検討をすること
気分•感情の問題、生活上の問題、仕事上の問題、捉え方や考え方の癖の問題、体の不調や状態の問題が、いつ、どこで、どの程度の強度で起きていて、生活にどんな影響を与えているかを細かく機能分析(アセスメント)することで、問題や感情、体の不調が維持、悪化してきた過程をを明確にしていきます。
そして、その過程で起こる悪循環を改善することで、ネガティブな感情や状態を緩和、解決し、問題の解決や対処スキルの向上のためのスキル向上に取り組み、問題を維持、増悪している思考の癖や行動、その他の要員を改善するための手段、技法、戦略を考え、明確にしていきます。 - 直面している問題への対処を目標にすること
認知行動療法では現実的で短期的な問題に焦点をあてて、直面している問題に対処することが目的になります。
直面している問題に対処するスキルが向上し、生活の中で良い経験やうれしい出来事を多く体験できるようになる事で、根本的問題も改善していくと考えられるからです。 - セルフコントロール能力の回復を狙いとすること
認知行動療法では相談者の中にあるセルフコントロール能力の存在を重視し、その回復を目指します。
比較的初期の段階から、問題点や悪循環を理解し明確にし、自らのスキルでそれらに対して、より適応的、効果的な対応が行えるように練習していきます。
☆気分や感情のセルフコントロール
☆行動や認知をセルフコントロール
をするための方法を学び、練習し、そのスキルを体得し向上させていくことを目指します。
そのために、問題の維持、増の仕組み、あるいは改善のための技法の原理、その狙い、それにより期待できる効果などについて、1つ1つ理解した上で、練習していくことが必要になってきます。
また、問題解決のための具体的な取り組み方を考え、それを実行した結果を振り返ることで、問題解決のための、問題の捉え方、対処のし方、振り返り方を身につけていきます。 - 問題を維持している悪循環に焦点をあてること
何か問題が生じるとその原因を探したくなるものです。
原因がわかることで対応策がみつかって問題解決につながると考えるからです。
しかし、心の悩みに限定して考えた場合、原因が分かったから解決策が見つかるとは限らないのです。
認知行動療法では、「なぜ問題が起きたか」ではなく「問題を維持・増悪させる悪循環とその過程」に焦点を当てて、それらの改善に向けた具体的方法を計画的に考え取り組んでいきます。 - 行動実験を重視すること
新しい考えや行動パターンを実際の生活の中で実験することで新しい経験をし、それを通して新しい行動や思考を身につけ問題の解決の能力や適応力を強化していきます。
「スキル向上のための学習」を大切にし、問題や悩み多くはこれまでの人生における経験によって身につけたスキルや学習内容によって生じているとだと考えます。
ですから、認知行動療法を通した問題解決や悩みへの取り組みの中で、これまでの人生の中で、いつの間にか身につけていた現状にそぐわない行動、考え方の癖などを特定し改善するために、認知行動療法が提供する様々なスキルや考え方から案出した新しい言動を計画的に経験することで、新しい態度や考え方を身につけ、新しい問題解決パターンを身につけていきます。
「何が悪かったか」という原因探しから、「今何ができるか」という解決思考を行えるように練習していきます。