望ましい行動を育てるテクニック
行動パターンを変化させたい時、
- ターゲット行動の頻度を低減させること
- 同じような機能(役割、効果)を持っている別の問題を引き起こさない行動を増加させること
の2つの方法から選択することになります。
2を選択した場合、その行動の機能によって対象者(又は自分)のニーズが満たされる必要があります。
2を選択して新しい行動を定着、習慣化していく方法には以下のようなものがあります。
- 課題分析
- 形成化
- モデリングとプロンプト提示
- 連鎖化
- トークンエコノミー
- 行動契約
今日から各項目について、1つ1つ解説していきます。
形成化
- 課題分析によって行動が起きるまでのフローを紙に書き出し、取り組みに関わる人すべてが共通の認識を持ったら、次は、
行動を練習する - 行動が実際の場面で機能するように調整する
という2つの作業をしていきます。
この作業のことを「形成化」といいます。
目的の行動が実際の場面で機能するためには、先行刺激があった時、目標行動を
- タイミング良く
- 適切な方法で
- 適切な強さで
- 適切な速さ
でおこなって、狙った結果(快)を得られなければなりません。
しかし、初めはうまくいかないものですから、「最初はうまくいかない」という前提を確認しながら、徐々に行動を検討、改善していきます。
新しい行動や習慣を身に着ける時、最初は行動の要素(上記)に大幅なバラツキがあります。
安定して目的の結果を出せるようになるためには、基準値を設定して取り組む必要があるのですが、基準値が厳しすぎると、成功体験を積めなくなってしまうので、モチベーションが低下するばかりか、行動を強化するチャンスがなくなってしまいます。
ですから、最初は基準値を下げて成功体験を適度に積めるようにして、徐々にその基準値を上げていくというやり方が一般的です。
このようなやり方を分化強化といいます。
基準をあげていくペースは、目的行動のバラツキの程度や変化のペースを考慮に入れながら決めていく必要があります。
分化強化を使った行動の形成化では、常に評価を継続し確認しながら進めていきます。
形成化が上手くできない時は、
- 課題分析が上手くいっていない ⇒ 行動をさらに細分化する
- 現在の行動が強固過ぎる ⇒ 連結する行動の順序にとらわれず、習得しやすい行動から進める
- 分化強化で強化する基準が厳しすぎる ⇒ 基準を緩める
- 基準を厳しくするペースが速すぎる ⇒ 基準を上げるペースを調整する(対象者との話し合いやペースを上げる基準を再検討する)
などについて考えてみてください。