暴露反応妨害法(Exposure & Respose Prevention)
暴露反応妨害法については以前にもご紹介していますが、別の角度から改めてご紹介させていただきます。
暴露(エクスポージャ)法は、問題になっている不都合な行動や問題になっている不快で激しい感情を引き起こす刺激に、意図的、計画的に触れる方法です。
ほとんどの不都合な行動、不快な感情への対応策として用いることができます。
例
恐怖の対象:蜘蛛
刺激:クモに直面させる(想像させる、実際に見せる、触らせる等)
ポイント
不快感を感じている最中に暴露を中止してしまうと不快な感覚が残るだけです。
あるいは不快な感覚を強化してしまう可能性もあります。
暴露は不快感が次第に弱まり、不快感がおさまるまで続ける必要があります。
暴露を不快感がおさまるまで続けた場合、その特定の刺激によって不快な感覚が呼び起こされることはなくなることが分かっています。
刺激を回避しないで不快な刺激と向き合い続けることで、その刺激が不快感を引き起こ差なくなるのです。
しかし、不快を引き起こす刺激と完全に向き合うことはかなり難しいことです。
外からみていると向き合っているように見えても、頭の中で別のことを考えて注意をそらして不快を回避しようとしてしまうかもしれないからです。
反応妨害法
「回避」をもさせないように工夫が反応妨害法といいます。
例えば、不潔恐怖の人が、不潔と感じる物に触っが後手を洗わないように(実際には回避を妨害するための様々な工夫が必要です)します。
標準的な流れ
- 初回の面接
相談者の悩み聞いて抱えている状況について把握します。 - アセスメント
初回以降も何回か状況の把握を続けます。
の段階を、初期評価、アセスメントどと呼びます。
自宅での問題が起きているときの経過、思考、感情、行動、結果などを用紙記録してもらって(セルフモニタリング)、それを評価に利用します。 - 心理学的知識の提供
認知行動療法を用いることになったら、相談者やその家族に対して暴露法やその効果についての説明を行います。
そして、問題に何する正しい知識を提供していきます。 - 計画作成
サポートする人(カウンセラーなど)と相談者が信頼関係を強固な物にしながら、暴露反応妨害法の計画を一緒に作成します。
例えば、階層表をつくって目標にレベル付けをしてたり、相談者の生活に大きな問題を引き起こしている刺激がある場合は、それを優先するかどうかなどを話し合いながらどの目標から暴露を始めるかを決めていきます。
計画が完成して相談者がそれに同意したら、暴露反応妨害法を行います。
実際には認知への働きかけなど、他の技法が取り入れたり、医師による投薬治療と併用する場合もあります。
また、暴露反応妨害法に取りかかれない場合も少なくありません。
なぜかというと相談者が「そんなことをしたらとんでもないことになってしまう」と強い恐怖を感じて暴露反応妨害法をうけることを嫌がるからです。
暴露反応妨害法は実績のある技法で、確かな効果が検証されているのですが、相談者がなかなか実行に踏み切れないのです。
非常に効果が高い方法なので、サポートする人(カウンセラーなど)と相談者が強い信頼関係を作り、相談者が今の苦しみや費用、恐れの度合いなどを冷静に比較検討できるようにしていくことが重要です。