弁証法的行動療法とは
弁証法的行動療法(Dialectical Behavior Therapy:DBT)は、マーシャ・リネハンによってに開発された境界性パーソナリティ障害(Borderline Personality Disorder:BPD)の代表的診断指標になっている自殺行動(リストカットetc)などの意図的、自己破壊的な問題行動に対て有効性の実証された認知行動療法的技法です。
DBTは自殺類似行動だけでなく、抑うつ、不安、怒り、解離など社会的適応問題に対しても効果が高い技法です。
自殺行動の再発率の減少、対人関係の改善など長期的効果があることが報告されています。
また、近年ではBPDだけでなく摂食障害、心的外傷後ストレス障害(Posttraumatic Stress Disorder:PTSD)などにも用いられることが増えています。
DBTの手続き
- 個人外来
- 集団によるスキルトレーニング
- 電話相談
- チームコンサルテーション
の4つの手続きで構成されています。
集団によるスキルトレーニング
集団によるスキルトレーニングでは、良好な対人関係や自己調節などの能力を高めるために
- マインドフルネススキル
- 対人関係スキル
- 感情調節スキル
- ストレス耐性向上スキル
の4つのスキルをトレーニングします。
スキルトレーニングでは1年を1クールとして、4回以上欠席した場合はドロップアウトとするという決まりで行います。
週に1回、2時間のオープングループで行います。
参加人数は6~8人程度が好ましいといわれています。
ここでは個人的な問題行動や精神的問題については取り扱いません。
各スキルについての心理的な知識を提供します。
スキルトレーニングでは、面談で取り上げられたスキルについて課題を出して、マニュアルを見ながら課題に取り組んでいきます。