人は自分が思っているよりもずっと不合理なものです。
自分を追い込んで、苦しむことになる信念やルールを頑なに守り、傷ついてしまうことも少なくありません。

自分で作った信念やルールが自分を追い込み、苦しむ原因になっていることさえ気づかずに、

  • 子供の頃の体験(ほとんどの信念やルールは10歳ぐらいまでに定着)
  • 思春期の強烈な体験
  • 大人になってからの自分の生存を脅かす体験

を通して出来上がった信念とルールを無意識に守って生きています。

カウンセリングのポイント

毎日の暮らしの中で、

  • どうしていつもこうなってしまうんだろう?
  • 結局いつも同じだ

そんな風に感じているとしたら、無意識に守っている信念やルールを頑なに守っていることが原因かもしれません。

以前ご紹介した下向き矢印法を使って、無意識に守っている信念やルールを探したら、その信念やルールが「現在の自分」にとって有益に作用しているのか、不利益に働いているのかを損益を分岐するシートをつかって合理的に確かめてみてください。

もちろん不利益に作用していることに気づいても、またその信念やルールを知らず知らずに守り、自分を追い込み苦しむことになるでしょう。
しかし、その信念やルールが自分にとって不利益に働いているということを意識できることが変化の第一歩なのです。
(信念やルールの変更については別途解説します)

まずは、損益を分岐するシートを使って、自分の信念の損益について理解し、変化のための第一歩を踏み出してみてください。

認知行動療法カウンセリング-損益を分岐するシート

認知行動療法カウンセリングで使う損益を分岐するシートの記入例

以下の質問に答えてみましょう。

  • この思考を信じる事にどのような損や得がありますか?
  • この考えによってもたらされる利益と不利益にはどのようなものがあるでしょうか?
  • もし今の信念を弱めたら、どんな変化がおきますか?
  • 逆に信念を強めたら、どうなりますか?
  • 信念の利益と不利益をあわせて100%だと考えて見ましょう。
    もし信念が今のままであったら、そのことによる損と得は両方とも50%ずつだと思いますか?
    あなたはどのような損益の分配を望みますか?
  • もっと緩やかなルールや信念に変わったらどう変わるでしょうか?
  • 思考の内容ではなく損益を分析するというやりかたについてどう思いますか?

ルールや信念について、利益の方が不利益を上回ると判断した場合、その信念を選択すると言う事が何を意味するかと言う事を良く考え、その思考をそのままにしておいた場合、不利益の部分は受け入れなければならないことを決意する必要があります。

なんの利益もないと考える場合、「秘められた利益」について考えてみましょう。

私たちが何かすることで、利益を全く生まないと言う事はほとんどありません。
しかし、タバコは百害あって一利なしといいますが、タバコを吸うことで一時的に気分が良くなったりします。

色々な面から考えてみましょう。

秘められた利益には、

  • 回避(挫折や自暴自棄な行動、失敗、危険不快な体験の回避)
  • 事前に準備できる事
  • ショックを避けられる事
  • 自分をやる気にさせることなど(心配による利益)

その場面をイメージして、その時の思考や気分を全て丁寧に思い出してみるのも役立ちます。
長期的、中期的、短期的な利益、不利益を分けて考えてみましょう。