苦しみを生む自動思考
自動思考は認知行動療法の用語で、何かの折につけ自動的に頭に浮かんでくる考えのことです。この考え方のパターンが人の言動の基本になっていて、それが不利益をもたらす場合は見直す必要があります。強すぎると不利益をもたらしてしまう典型的な自動思考のパターンを紹介していきたいと思います。
他者非難
自分のネガティブな気分の原因を他人に帰属させ自分の責任を認めようとしないこと
他者非難の例
- 私がこんな風に感じるのはあいつのせいだ
- 僕の人生がこんな風になってしまったのは全て両親に責任がある
自分の気分が落ち込んだり苦しくなったり寂しくなったり・・・毎日色々な刺激を受けながら、人の気分は刻々と変化しています。そうした気分の変化の中で一般的にネガティブといわれる自分があまり感じたくない感情を感じた時、その原因を自分以外の他者(人、環境、時代など)にあると決めつけ、それを責めて、自分の落ち度や責任は一切認めない。こういう思考のクセを他者非難といいます。(この反対に全ての責任は自分にあると決めつけ苦しむのも考え物です)
こうした傾向が強い人は・・
円グラフ法や根拠の検討、根拠の質の検討などを行ってみると良いでしょう。
こういう思考が強すぎる人はいつも怒りを感じ他者を責め続けなくてはいけません。怒り続けることは体力も必要ですから、疲れやすかったりして、自分のできることも減ってしまいます。
何より、怒り続けることで、さらに苦しみ、問題が複雑になったり、状況が悪化してしまう可能性が高くなってしまいます。何か問題が起きて、ネガティブな気持ちになるのは、自分を取り巻く環境、対処スキル、対人スキル、考え方の癖、体力、行動パターン・・など様々なものがありますので、それらを見つけるスキルを身に着けていきましょう。