獲物を探す鷹

心をフルネスに導く要素

自分の心の状態は自分で決めることができます。
そのためには心の状態に影響を与える要素を上手に使う必要があります。
心の状態に影響を与える要素とは、認知の癖、体の状態(表情、体調、姿勢など)、行動の癖(態度、言葉の使い方)、獲得スキル、感情・感覚回路の強度、防衛策(考えや行動の癖に含まれる)です。

ほとんどの人はこれらを環境、出来事、他者から受けた心の状態を表現するために使ったり、それによって起こった結果だと受け入れてしまいます。
しかし、それでは外部要素(環境、出来事、他者)に反応しているだけです。
外部要素に自分の心を支配されているということを意味します。
考え方の癖が心の状態(感情)を決めるのです。

敬意

「敬意を払う」というアクティベーションスキル

どれだけ謙遜している人でも殆どの人は「自分を大切に扱って欲しい」「相手にとって重要な存在でありたい」と思っているものです。
そして相手から大切に扱われたり、相手にとって重要な存在だと感じられると嬉しくて気持ちも高まります。
「敬意を払う」というのは、「私は貴方を大切に思っています」「私は貴方を重要な存在だと感じています」と伝える態度です。
敬意を払うことで「私は貴方を大切に思っています」「私は貴方を重要な存在だと感じています」と伝えるのです。

相手からの敬意を感じると人は気持ちよくなってエネルギーレベルが向上します。
そして心の状態はフルネスにドンドン傾いていきます。
「人をフルネスにしてもなぁ〜」と思う人もいるかもしれませんが、人はお互いに影響を与え合って生きていますから、相手がフルネスに傾くと自分の心の状態もフルネスに傾いていくのです。
ただし心が伴わない態度だけの敬意は意味がないことを心に留めておいてください。
「この人に敬意を払った方が得をするか?」などの理由から、敬意という心を使わないで態度だけ敬意を払っているように見せても、敬意という心を使っていないので敬意という心を強化することはできません。それどころか自分の心の状態と自分の態度の間に矛盾が起きることで、結局心はアンフルネスに陥りやすくなってしまいます。

さらに「この人は自分にとって敬意を払うに値するか?」という値踏みをしていると、自分も周囲から値踏みされている感覚が強化されてしまうのでアンフルネスに傾きやすくなる上、自分の現在の物差しだけで相手の価値を見極めようとするので相手の価値がわからなかったり、相手の欠点が見つかった時に相手を見下してしまったりすることになって敬意という感情を使う機会が激減してしまいます。

ですから、たくさん敬意という心を使ってフルネスを強化したいのなら「相手のもつ尊敬できる所」を発見するスキルを向上していく必要があります。
普段から人に興味を持って敬意を感じられるところを積極的に見つけようとする態度が大切です。
他者に敬意を持つことは自分に対して敬意を持つことにつながることを覚えておいてください。

敬意

リフレーミングで短所を長所にして敬意を払う

相手に対して敬意を持てないのは「相手にそう思えるところがないからだ」と思う人も多いでしょう。しかし、長所と短所(敬意をもてることと持てないこと)は必ずセットになっています。つまり、短所は見方を変えれば(リフレーミング)長所だということです。例えば「優柔不断」→「他人の気持ちを優先する」といった具合です。リフレーミングをするために、以下のスキルを習得してください。

リフレーミングテクニック

言葉のリフレーミング 言葉のリフレーミング2 全ての情報を検索する ジョハリの窓 リフレーミングとポジティブシンキングの違い 場面のリフレーミング セルフリフレーミング

respect・尊敬

部分と全体を分けて敬意を払う(人格と行動、態度をわける)

もう1つ相手に敬意を持てない原因として、その人の一部の言動をその人全体の評価としてしまう癖があります。
例えば、これまでずっと物静かで温厚だった人が、運の悪さや過程での不和など辛い状況が続いて、イライラしてツイツイキツイ口調で怒鳴ってしまったら、「やっぱり温厚なのはたて前で、本当は腹の中でいつも私にイライラしていたんだ」などのように、1つの出来事に対する評価をその人全体の評価として考えてしまうのです。

人の心身の状態は日々刻々と変化しています。
機嫌の良い日もあれば悪い日もありますし、何をやってもうまく行くときもあれば、反対に何をやっても裏目に出てしまうこともあります。
そして人は誰にでも欠点があり、誰でも失敗はするのです。その度に、その人全体の評価が変わってしまうのであれば、「尊敬できる人」はこの世に存在しなくなってしまうのでしょう。

もし「尊敬できる人」がいないのなら人の「尊敬できない部分」を見つけた時「尊敬できる部分」を帳消しにして、「尊敬できない部分」をその人の評価全体すり変えている可能性があります。
完璧な人はいませんから、当然尊敬できる人は存在しなくなってしまいます。
そんな人は部分と全体を分けてとらえるスキルを身につけて、敬意をもって相手と接することができるようになっていきましょう。

相手に対して敬意を払うアクティベーションスキルが向上すると、どんな相手からも学ぶことができるようになっていきます。
スポーツ、勉強、仕事など、これまで自分より劣っていると思っていた相手に対しても、相手の長所に目を向けて接することができれば心の状態はフルネス傾きエネルギーが生まれてくるようになるのです。
「敬意を払う」というアクティベーションスキルを向上させていきましょう。