苦しみを生む自動思考
自動思考は認知行動療法の用語で、何かの折につけ自動的に頭に浮かんでくる考えのことです。この考え方のパターンが人の言動の基本になっていて、それが不利益をもたらす場合は見直す必要があります。強すぎると不利益をもたらしてしまう典型的な自動思考のパターンを紹介していきたいと思います。
もし思考
「もし…だったら?」とあれこれ自分に問うが、どのような答えにも決して満足できないこと。
もし思考の例
- でももし辛い事があったら?
- もし、息ができなくなってしまったら?
- もし、飛行機が落ちてしまったら?
人生を生きていると何があるかわかりません。
- 絶対につぶれないと思っていた大会社がつぶれてしまった。
- 交通事故に遭って歩けなくなってしまった。
予想もしていなかった出来事に出合い翻弄されてしまうこともあるでしょう。しかし、こうした予測不能な事態を、全て想定して完全に安全な状態を作り出さなくてはいけないと感じてしまう人がいます。この思考が強すぎると、何をしようとしてもネガティブな可能性に怯えることになって何もできなくなってしまいます。
行動しないことで折角のチャンスや学び、成長の機会をなくしてしまいます。
こうした傾向が強い人は・・
以下でご紹介している技法を使って思考を検討してみると良いでしょう。
損益分析
ネガティブな予測を検証
ネガティブな予測が出た場合、それを書きとめ、後から検証する習慣をつけ、その予測がどれぐらいの確立で当たるものなのかを検証する
生産的な心配と非生産的な心配の検討
- この心配事が現実化する可能性は、非常に低いのではないだろうか?
- 私はどんな事を予測しているのだろうか?
- 私が実際にできる行動はなんだろうか?
- それらの行動は合理的だろうか?
- 私は自分にどうにもコントロールできないような物事について心配しているのではないだろうか?
- これは生産的な心配か?それとも非生産的な心配か?
- これが生産的な心配である理由はなにか?
(あるいは、非生産的な心配である理由はなにか?)
ネガティブな予測を明確にし対処法を考える
- 自分がどのように振舞えばこの予測は実現するだろうか?
- この予測を実現させないために自分ができることはなんだろうか?