モデリングによる不安や恐怖の調整
他の人の言動を観察して真似ることで、自分の言動のバリエーションを増やし、新しい言動のパターンを身につける事は、問題になっている状況での選択肢を増すことになるため、様々な状況にうまく対処できるようになるためのトレーニングとして効果的な方法です。
このように他者の言動を真似ることで、言動のバリエーションを増やしていく方法をモデリングと言います。
モデリングへの基本的取り組み
他の人の言動が、どんな結果に結びついているかをプロセスを確認しながら観察する事は、自分が直接経験するのと同じような学習効果があります。
これを観察学習と言います。
他の人を観察学習することで、自分に獲って望ましい結果を呼び寄せる言動について、自然な形で正の強化や負の強化が起こります。
望ましい結果が起こるまでのプロセスを理解し、そのプロセスを身につけていきます。
人には目の前で行われた言動を自分も真似ようとする習性があるので、恐怖や不安にさらされる事で、適切な言動がとりにくくなっている時、モデリングはとても効果的だと言われています。
「モデリングを用いるメリット」
- 問題になっている状況での望ましい言動について非言語的レベル(視覚的、聴覚的情報、身体感覚情報)を具体的に理解しやすいこと
- 行動パターンだけでなく、その他の必要な情報(環境との相互作用、タイミングなどの感覚的情報)も具体的に理解しやすいこと。
- モデルの行動の結果が、観察者への動機付けや不安の低減などとして働くこと
がモデリングの大きなメリットです。
効果的にモデリングを行うためには、モデルと対象者との関係がとても大切です。一般的には、
年齢、性別、境遇、家庭環境 など
モデルと対象者のさまざまな立場が似ている方が効果が高くなる傾向があります。
また、対象者がモデルに対して、好感、親近感などのポジティブな感情を抱いている方が効果が高くなるようです。
また、
- 不安や恐怖が起きにくい状態を作って行うモデル(マスタリーモデル)
- 適度な不安や恐怖を感じながら適切な対処を取ることを目標目標として行うモデル(コーピングモデル)
1よりも2の方が効果が高いようです。