感情を根拠にすることについて考えよう
「感情に基づく推論」
ネガティブな感情になりやすい人の考え方の癖の代表的なものとして「感情的推論」があります。その時の自分の感情を根拠として現実を判断してしまう癖をいいます。感情が根拠になるため制御が効かなくなり、その感情と直接関係がない出来事を強い危険や脅威と感じて、さらにそのネガティブな感情を増強させてしまう傾向があります。「不安だ。だから危険が迫っているんだ」のように感情が理由となってネガティブな状態を予測してしまいます。
しかし、この傾向が強いと現実を検討することができなくなって行き過ぎた不安を感じることになってしまいます。このような傾向が強くて困っている場合は感情と思考が相互に影響を与えあっていることを認識する練習をすると良いでしょう。
- 感情と思考は相互に影響を与え合っています。感情と思考の相互関係を意識して感情が変われば思考も変わり、思考が変われば感情も変わるという相互関係を繰り返し体験していくのです。
「思考が感情的理由付けによるものである」「思考が否定的な気分に基づいてる」
そんな時はポジティブな気分を体験することで別の思考を選択できるようになるということを体験していくことが役に立ちます。こうした方法をヴェルテン法と呼びます。
練習方法
- 「イメージを使って体験と思考の関係を理解し、気分を変換する」を利用して、現在のネガティブな思考を書き出してみましょう。
- 1で書き出した思考にから生まれているネガティブな感情を明確に感じましょう。
- ポジティブなイメージや言葉を10分間繰りかえす
イメージや言葉でうまくいかない場合は、飛び跳ねてみる、スキップするなどポジティブな気分の時に行う行為をしたり、背骨を伸ばすなど姿勢を正したり、深呼吸をするなども行ってみましょう。 - 3で感じたポジティブな感情を感じながら思考を検討し書き出しましょう。
- ネガティブな感情になっている時、思考は、その感情に巻き込まれネガティブなことを考えてしまうものです。
- ネガティブな事ばかり考えてしまうのはネガティブな感情になっているからかもしれません。
自分の心配や不安が感情に影響されて連鎖しているだけかもしれないということを検討してみてください。 - ネガティブな感情を変化させられれば、ネガティブな思考が変化するかもしれないという可能性について考えてみてください。
悲しいと感じている時、その悲しい気分がネガティブな思考を生み出してしまいます。その結果、全てを悲しい気分とともに経験する事になってしまいます。このような傾向が自分にあるかどうか3つのことを検討して調べてみましょう。
不安や悲しみがあまりにも強くて、別の気分を想像することがとても難しいと思う人がるかもしれません。このような場合、まずはリラックスできる環境づくり(照明を間接照明にかえるなど)から入ってみましょう。呼吸法を行ったり、姿勢を正したり、温かいものを飲んだり、イメージしにくい場合は写真や映像を見ながら行うなどポジティブな気分を感じやすいように工夫しましょう
イメージのストーリーや状況(視覚、聴覚、身体感覚)などのイメージなどを書き出し繰り返し練習するのも良いでしょう。幸せで非常に落ちついた過去の記憶を利用することも役に立つでしょう。