顕在意識と潜在意識
心は「約10%の顕在意識(普段意識している自分)」と「約80%の潜在意識」と「約10%の原始意識(普段意識していない自分:潜在意識と1つとして考えることもあります)」が1つになってできているといわれています。
生まれたばかりの頃は顕在意識は存在せず原始意識と潜在意識のみで作られていて、10歳前後に「クリティカルファカルティ」と呼ばれる顕在意識と潜在意識を分ける蓋ができて顕在意識と潜在意識が分かれると考えられています。
潜在意識
潜在意識は本能の部分と直接かかわっていますので、とても繊細で敏感です。イメージや感覚で物事を捉え、全ての記憶を蓄えていきます。しかも一度働き出すと答えが出るまで自動で動き続けます。
子供は多感で物覚えが良いのは顕在意識が形成されていないためダイレクトに経験が潜在意識に刻み込まれるからです。
しかし潜在意識はとても敏感なので外部からのちょっとした刺激で強く傷ついたり壊れたりしてしまいます。
大人になってもフィルタに選別される情報を潜在意識に情報に入れることはできるのですが、1:生死に関わる出来事が起きた時に得た情報、2:繰り返し与えられる情報に限定されるようになっていきます。子供の頃の体験や認識が潜在意識に情報を取り入れるか入れないかを選別するフィルターをを作っているので、子供の頃の体験が大人になってからの思考や行動感情に大きな影響を与えるということです。
ですから顕在意識では「こうしたい」と思っていても、圧倒的な力をもっている潜在意識のパワーに勝てず自分の意志とは異なった行動をとってしまうことが良くあるのです。
潜在意識に上手に影響を与えることができれば、もっともっと自分の望む行動や感情を持てるようになっていきます。その為には顕在意識と潜在意識の特性を良く理解する必要があります。
潜在意識への働きかけ
否定イメージはNG
論理的な顕在意識とは性質が違うので使い方には注意が必要です。例えば潜在意識に何かをインプットしようと「繰り返す」という方法を用いたとします。
そんな時例えば「僕は人を嫌わない」という情報を入れようとすると潜在意識は「嫌い」という言葉のイメージや感覚だけを取り入れてしまうので、人の悪いところや欠点が目につくようになってしまいます。2重否定は論理的な方法ですので潜在意識はうまく理解してくれないのです。
自他の区別をしない
「お前って最低なやつだな」など人を批判する言葉を使うと、潜在意識は「最低」という言葉のイメージだけを受け取って自分が最低と感じるようになってしまいます。潜在意識は「主語を受け取らない」のです。
表現を見直す
繰り返すという意味では普段の表現方法や口癖を見直すことも大切です。「私って最低」「ダメね」「できるわけない」「でも」「だけど」・・・否定的な言葉が口癖だと否定的な言葉のイメージを潜在意識が受け取って、そのイメージに合った自分になるような行動をとってしまいます。
極限状態を体験する
極限状態を体験するというのは勇気のいることですが、全く知らない土地に行って全く知らない新しい体験をすることも「穏やかな極限状態」といえます。知らないところでは「生き残るために」新しい知識を入れ活用する必要があるからです。色々な場面を想定して「おだやかな極限状態」を体験してみるのも良いでしょう。
イメージや感覚を育む
また瞑想や坐禅を組むというのもイメージや感覚に働きかける作用になりますし、スポーツ選手が良く用いるイメージング、映画などの映像や音楽、香りなどを効果的に用いるのも良いでしょう。
全自動プログラム
潜在意識は全自動プログラムです。一度問いかけた質問について24時間、自分が意識していない間も答えを探し続けます。「なんでこの家に生まれてきたんだろう?」「人生の意味ってなんだろう?」など答えの出ない問いかけをすると答えが出ない質問がドンドン溜まってしまうので、その質問の答えを探すことにエネルギーを浪費て必要なことに使うエネルギーがドンドン減って気力や体力が低下し、やれることが少なくなってしまいます。自分の持つパフォーマンスを出せなくなってしまいます。注意してください。潜在意識との上手な付き合い方を覚えて、もっともっと充実したおだやかで幸せな毎日を送ってください。