極端でないやり方で比較する
物事を「0%対100%」で判断する見方を2分割思考(あるいは全か無か思考)といいます。極端な事だけを取り出して比較対象とするのです。こうした思考傾向が強い人は「何を、どれだけやっても十分じゃない」と感じ、いつも不完全で足りない感じがして満足感を得ることができません。
こうした思考傾向を弱めて満足感を得やすくなるには、0%から25%、50%、75%、100%の全範囲に位置する人々と自分を比較する癖をつけることです。(あるいは自分の現在の思考を全ての範囲の人に納得させることができるかと考える癖をつける)
全範囲の中で公平に検討しても、実際に自分が平均レベルであったり平均以下であったりして、「十分じゃない」と感じてしまう人もいるでしょう。そんな場合は大半の人が平均的な自分、自分のやっていること、やって来たことが平均水準であっても自分を受け入れることができているのはなぜか?ということについて考えてみることが役に立つでしょう。また誠実さや親切などの能力や業績以外の要素についての価値についても検討しなおしてみることも役に立つでしょう。(基準を多様化することを検討する)
練習方法
- 「極端でないやり方で比較する」を使って、自分の思考と様々なレベルの人々を比較してみましょう。
- 様々なレベルの人々に自分の思考を納得させるとしたらどうするかを検討してみましょう。
以下の事について検討してみましょう
- 自分をトップレベルの人たちばかりと比較していませんか?
- 特定の分野で最高レベルの人たちとばかり自分を比較していませんか?
- もっと別のレベルの人たちや別の分野の人達と比べてみたら、どうなるでしょうか?
- 100%、90%・・50%・・10%、0%のレベルの人たちの事を考えてみたらどうなるでしょうか?
- 自分をトップレベルの人と比較し、目ざすことも大切な事でしょう。
しかし、その人達とばかり比べることで、ネガティブな気持ちになるのであれば、様々なレベルの人たちと自分(の実績)を比べることも必要なのではないでしょうか? - 自分の資質、才能、能力などについて、様々なレベルの人と比較したら、どんな事を感じたり考えたりするでしょうか?
- 50%や40%のレベルにいる人たちでも、そのことによって、それなりに何かポジティブな事を得ているのではありませんか?
例えば大きなプレッシャーに苦しまなくても良いといったことです。 - できないことやもっていない資質ではなく、できることや自分の持っている資質に目を向けたら、どうなるでしょうか?
様々な分野の様々なレベルの人と自分を比較するのは納得がいかない感じる人もいるでしょう。そのような人は全ての範囲に渡って比較する事の損益を分析してみましょう。
標準以下のレベルの人たちと自分を比較し、それに甘んじたらモチベーションが低下してしまうのではないかと不安になる人もいるでしょう。そのような人は「標準以下のレベルの人たちと自分を比較したらやる気を失ってしまう」ということについて根拠と反証を検討してみましょう。
慣れない人は100%、0%の人を検討した後に、50%の人について考え、この3レベルの人と比べてみても良いでしょう。ある程度のこだわりであれば、この3レベルの検討でも役に立つ考え方を見つけることができるでしょう。これを行ってもうまくいかない場合は、レベルをできるだけ細かく設定して検討しなおしてみてください。