手から伝えるメッセージの付録1
手を見せる
話しているときに相手から手が見えない位置に手を置いてしまうと、話の内容を疑われ易くなってしまいます。
ですから人と顔を合わせて話す時は、必ず相手に手が見える所に手を出しておきましょう。
人は相手の手の動きを確認できることで「武器は持っていない」「攻撃してくる兆候はない」など、自分の身の安全を確認しているため、確認できないと不安な感情が強くなるため、人を疑い易くなるという傾向があるのです。
もちろん、こうした安全確認は現代の生活では必要ありませんが、脳の中には進化の過程で何千年も使われてきた、手の動きに注目して安全を確保するというネットワークがしっかりと残っているため、こうした現象が起こるのです。
話し相手がテーブルの下に手を隠しているときの自分の気持ちと、相手の手が見える位置にある時の自分の気持ちの状態や会話の内容について観察してみると良いでしょう。
相手の手が見えていないと、相手の話を疑う気持ちが浮かび易くなっていることに気づくはずです。
手が見えなかったり、手の表現力に乏しかったりすると、伝えている情報の量も質も、そして信憑性さえも低下してしまうということを覚えておきましょう。
ある調査での印象
ある調査で大規模な調査が行われました。面接の時に手をテーブルの下に隠した人と、手をテーブルの上に出していた人の印象の差を調査した結果です。
- テーブルの下に手を隠して面談を受けた人
引っ込み思案、本心を明かさない、ずるい、話をごまかすという印象を持たれる人が多かった。 - テーブルの上に手を出して面談を受けた人
率直、正直、親しみやすいという印象を持たれる人が多かった。 話をごまかしているという印象を持たれる人は一人もいませんでした。