なだめ行動

カウンセリングアドバイザー

防御反応(固まる逃げる戦う)が必要な状況の後、人は必ず「なだめ行動」をします。
なだめ行動とは危険や不快な出来事の後、気持ちを静めるための行動だからです。
自分の心身の状態を通常に戻すきっかけとして行うのです。

反対に言えば、相手を観察してなだめ行動を見つけることができれば、相手の心の中に起こった、怒り、不快、緊張などの感情に気づくことができるようになり、その気持ちが強くなる前に労うことができるようになります。

不必要なトラブルを予防することにつながりますし、ひいては相手の考えや価値観を上手に理解し、良好な人間関係を構築することにもつながります。

「太ももをこすって」なだめる行動

ストレスを感じると手のひらで太ももをこする人は多いものです。
「太ももをこする」ことは「不快」という感情を表している場合が多いのです。
ただし座って行うことが多いため、この行動はテーブルの下に隠れてしまって見過ごしてしまいがちなので、注意して観察する必要があります。

太ももをこすってなだめる行動多くの場合腰かけた状態で両手を使って太ももの付け根から膝に向かってすべらせます。
片手で行う場合もあります。手を滑らせる代わりに太ももをマッサージする人もいます。

1回だけで辞めてしまう人もいますが、多くの人は何度も繰り返し行います。
手の汗を拭くためにこの行動をする人もいますが、不快な感情を抱いていることは同じです。

この行動は不快を感じている度合いをかなり正確に表しますので、その人がこの行動を普段から行う頻度を観察しておくと良いでしょう。
ただし、手や太ももはテーブルで隠れてよく見えないことが多いので、太ももをこするために肩から上腕にかけて動く動きを観察してみましょう。
この行動はストレスを感じた直後にすぐ起こります。

注意して欲しいのは、この仕草をしたから「ウソをついている」ということではないということです。
全く後ろめたいことがなくても不快を感じれば、この行動をとってしまいます。

この行動は「ウソをついている」ことをあらわすのではなく、不安や緊張によってストレスを感じ、それを「なだめようとする」ことを表しているだけなのです。
この行動を見つけたら、不快を作り出した「理由を詳しく調べる必要がある」サインを見つけたと考えるようにしてください。