大脳辺縁系の3つの反応
哺乳類脳である大脳辺縁系には命を守るための本能的な反応が残っています。その代表的な反応が3Fと呼ばれる反応です。
人は危険に直面すると
- 固まる(フリーズーFreeze)
- 逃げる(フライトーFljght)
- 戦う(ファイトーFight)
という3つの反応のどれかひとつを選択することになります。
1:固まる ⇒ 2:逃げる ⇒ 3:戦う
この3Fの優先順位を意識して人のノンバーバルを観察すると、相手の思考、感情などを理解する手掛かりになるノンバーバルを見つけやすくなります。
戦う(ファイトーFight)
戦うという反応は生き残るための最後の選択です。
危機を察知して、固まって息を潜めても、逃げ出しても助からないと感じたときにする最後選択なのです。
自分を守るために恐怖を怒りに変えて、攻撃してくる相手を撃退するのです。
つまり、怒るという事は恐怖を感じているということなのです。
しかし、現在の人間社会では恐怖を怒りに変えて相手にぶつけてしまうと、ほとんどの場合問題を引き起こしてしまうので、人間だけは戦う反応を戦闘以外の方法を開発して発達させてきたのです。
どんな方法があるかというと、例えば言葉による攻撃です。侮辱、中傷、皮肉、反論などの言葉による攻撃は人間独自の「戦う反応」です。
言葉以外での「戦う反応」には、姿勢を変える、目つきや表情、胸を突き出す、相手の個人空間を侵害する(自宅等)などがあります。
ただし、攻撃的な感情が高ぶると論理的な思考を行う大脳新皮質(人間脳)より大脳辺縁系(哺乳類脳)が優先されるので思考能力が低下してしまいます。
ですから、相手が感情を高ぶらせている間は論理的な話をしても通じなくなってしまうのです。
論理的な話をする前に、相手の感情の高ぶりをおさめるように心がけましょう。
言葉による攻撃 |
言葉以外の攻撃 |
侮辱反論
中傷 煽動 皮肉 語気を強める 怒鳴る など |
民事訴訟嫌がらせ
姿勢 目つき、表情 胸を突き出す 個人的、集団的な空間を侵害する など |
怒りが恐怖から生まれることを知っていると、怒りのノンバーバルを見つけた時に、どう振る舞ったら良いかがわかってきます。
つまり、怒りに対して怒りを返せば相手の恐怖心は増大し、余計に怒らせてしまうと言うことです。
また、怒りのノンバーバルについての知識があれば、自分のノンバーバルをチェックできるので、相手を不快にさせた可能性について早い段階でチェックすることができるので、早めに関係を修復することが可能できるようになります。
相手の攻撃的な感情をいたずらに刺激しすることがなくなるので、大きな衝突に発展することを避け、相手の攻撃から自分を守ることができるようになるのです。