急がないこと

心理カウンセリングに訪れる多くの方が「一生懸命頑張っても変われない」とおっしゃいます。
お話を聞かせていただくと確かにすごく頑張って変わろうと努力されています。
しかし「結局私は変われないんだ」と嘆いていらっしゃいます。
頑張っても頑張ってもなりたい自分になれないのなら、いっそのこと諦めてしまおうと思われても仕方ないでしょう。

しかし、いくら頑張っても頑張り方が適切でなければ変わることはできません。
反対に言えば頑張り方が適切なら変わることができるのです。
ほとんどの方が変われない大きな原因は「急ぎすぎること」です。苦しいから、現状を変えたいから急いで変わろうとする気持ちは痛いほどわかるのですが、人の心はすぐには変わらないのです。肉体の変化と同じように心の変化にも時間が必要なのです。

虹に向かう男性

確かに成人するまでは短期間、あるいはある出来事1つで大きく変化することがあります。
それは顕在意識が未発達なので、新しい考えや感じ方が潜在意識に定着しやすいからです。
しかし大人になってしまうと新しい考えや感じ方は顕在意識(常識、ルールなど)というフルイにかけられて、そこを通り抜けたものだけが潜在意識に定着します。
ですから頑張っても頑張っても変われないのです。
大人になってから新しい新しい考えや感じ方を潜在意識に定着させる方法は2つだけです。
1つは命に関わるような重大な危機を体験すること、もう1つは「繰り返すこと」です。繰り返すことで脳や神経や分泌物に変化が起きて変化していくのです。

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つまり大人になってからの変化は肉体の変化と同じような時間がかかるのです。
しかし急ぎすぎると新しい考えや感じ方を使っても、その後うまくいかなかいと後悔したり、落ち込んだり・・これまでのネガティブな考えや感情をたくさん使ってしまうので、結局新しい新しい考えや感じ方は相殺されてしまいます。

確実に変化していくためには急ぐのをやめて、うまくいかないときにネガティブな考えや感情をあまり使わないようにすることが最大のコツなのです。
バスケットボールのシュートの練習を始めたばかりの時に、「外した」「また外した」とうまくいかなかったことに注目してしまうと、練習に身が入らなくなってバスケットボール自体をやめてしまうことにつながりかねません。
焦らず、できるだけうまくいったことに意識を向けながらゆっくりと変わっていくことが、大きく変化するための最大のコツなのです。