なだめ行動
防御反応(固まる、逃げる、戦う)が必要な状況の後、人は必ず「なだめ行動」をします。
なだめ行動とは危険や不快な出来事の後、気持ちを静めるための行動だからです。
自分の心身の状態を通常に戻すきっかけとして行うのです。
反対に言えば、相手を観察してなだめ行動を見つけることができれば、相手の心の中に起こった、怒り、不快、緊張などの感情に気づくことができるようになり、その気持ちが強くなる前に労うことができるようになります。
不必要なトラブルを予防することにつながりますし、ひいては相手の考えや価値観を上手に理解し、良好な人間関係を構築することにもつながります。
「なだめ行動」への理解を深めよう!!
なだめ行動に気づいて相手の気持ちを察することができるようになると、必要に応じで会話の流れを変えたり相手を気遣う言葉をかけたり一息ついてもらうためにお茶を用意したりなど状況を変えるための言動が取れるようになります。
つまり問題が深刻化する前に相手の心をケアすることができるようになるのです。
こうした心遣いができるようになると、人間関係はずっと深遠なものになっていきます。
なだめ行動から相手の気持ちを理解することができるようになるためには、次のようなポイントを意識してトレーニングしていく必要があります。
なだめ行動に気づけるようになるためのトレーニングポイント
- 「なだめ行動」の発現を常に意識すること
代表的な「なだめ行動」を覚えて、それらを相手が行なった時にすぐに気づけるように注意深く観察する習慣を身につけましょう。
慣れてくれば意識しなくても簡単に気付けるようになっていきます。ストレスや不快感が大きいほど、その後になだめ行動が続く可能性が高くります。
「心のための習い事」で紹介したなだめ行動 「岐阜心理カウンセリング」で紹介したなだめ行動 - 個人の「なだめ行動」の基準を見つけること
相手を観察して「個人のなだめ行動の基準」がわかると、相手の「なだめ行動」の増減にすぐに気づけるようになります。(癖と本当のなだめ行動を見極める) - 相手のなだめ行動の理由を推測すること
相手の「なだめ行動」に気付けたら、すぐに「なぜだろう?」と考える習慣をつけましょう。
相手が不安やストレスを感じていることがわかったのですから、次はその理由を見つる必要があるのです。
「なだめ行動」の役割はストレスを感じる出来事の直後に気持ちを静めることです。
相手が「なだめ行動」をした時、その前に何らかのストレスを生む出来事や剌激があったはずなのです。 - 「なだめ行動」と「その原因」結び付けること
人がストレスを感じる対象は様々です。最初のうちはなぜその人が「なだめ行動」を起こすようなストレスを感じたのかわからないかもしれません。
しかし「なだめ行動」に気づいて、相手を気遣う言葉「何か気になることでもあるの?」「何かしたいの?」「何かしてほしいことある?」と声をかけているうちに、相手の答えからストレスの原因を探り当てることができるようになっていくでしょう。
相手のなだめ行動を発見したら、相手を気遣って反応からストレスの原因を推察するという流れを身につけますしょう。 - 原因を確かめてみること
必要な場合はストレスの原因になると推測された言葉を実際に投げかけてみたり、物や状況であれば指し示したり、それについて尋ねたりして、それが相手にストレスの原因かを(なだめ行動の増減をチェックする)を見極めてましょう。 - 「なだめ行動」の種類を意識すること
個人差はありますがストレスが大きいと顔や首に触れる動作が増加しますが、定期的にお付き合いする人なら、ストレスの大きさによって現れる「なだめ行動」の違いや場所を見極めていきましょう。 - 「なだめ行動」を読み解くのは相手への気遣いのためだと意識すること
「なだめ行動」から相手の気持ちを読み解くことで、交渉ごとを有利に進めたり相手を論破したりすることもしやすくなりますが、最も重要なことは相手の「なだめ行動」に気づき、その意味を理解することことで、快適なコミュニケーションを行うことです。
「なだめ行動」を読み解く練習は、相手への思いやりの気持ちを持って行いましょう。