公平に考えよう(二重の基準法)

他人を評価する時の方が、自分自身を評価するときと比べて、ずっと合理的で公平になることが多いようです。自分に対する評価が他人に対して行う評価よりも厳しすぎるものになっている場合、ネガティブな感情を引き起こしやすくなってしまいます。

そんな場合は二重の基準法を使って自分に対して他人に対するより厳すぎる基準に基づいていないかということを再検討し、自分と他者の評価の基準の公平さを取り戻すことが役に立ちます。

練習方法

  1. 「二重の基準法」を使って、自分自身に対する批判的な考えを全て書き出しましょう。
  2. 友人が自分と同じような問題を抱えていたとしたら、自分はその友人に対してどのようなアドバイスをするかを検討してみましょう。
  3. なぜ自分は自分に対して、より批判的な基準を使うのか検討してみましょう。

二重の基準法

以下の事について考えてみましょう
  • もし、他の人が自分と同じ状況に陥っていたら、どう考えますか?
  • 自分以外の人がその状況に陥っているのを見たらどう考えるでしょうか?
  • 自分に対する基準と他人に対する基準は異なっていませんか?
  • なぜ自分自身に対して、他の人に対するより、ずっと厳しい基準で評価するのですか?
  • 他人に対する評価の方が、寛大なのはなぜですか?
  • 自分自身を判断する場合と他人を判断する場合とで異なった基準を用いるのはなぜなのでしょうか?
  • 他の人達は、自分に対して、なぜ自分とは異なる基準を用いるのでしょうか?
  • 他の人はその状況をどう捉えるでしょうか?
  • 自分が自分を評価するほど、他の人が自分に対して批判的でないとしたらどうでしょう?
  • もし、自分自身の評価の基準が他の人に対するものと同じぐらい寛大な基準になったとしたらどうなるでしょうか?
  • その状況で誰に用いても理にかなった、合理的で公正な基準とはどのようなものでしょうか?

完璧主義的の人は他人よりも厳しい基準を自分あてはめなければいけないと考えてしまう人が多いようです。

しかし完璧主義の人の多くは「100%こそが唯一の基準だ」「完璧でなくてはいけない」と信じ、それにより望ましくない結果を自分自身で引き寄せてしまうことも多いのです。

「より高い基準を目指すこと」と「最も高い基準を目指すこと」を区別して検討してみましょう。そして、どちらを目指すことが自分にとって、より望ましい結果につながるのかを検討してみましょう。完璧を目指す → 完璧でない状態に遭遇しやすい → 自分を認められない → 挑戦する勇気が持てない、緊張して失敗しやすくなるといった流れを確認してみましょう。

また連続法を用いて結果を割合で考えてみるとともに、70%、80%、90%を目指したらどうなるか、それらと比べて100%を目指したらどうなるか、各基準を目指す事にはどのような意味や根拠やメリット、デメリットがあるかを検討してみましょう。

他者が自分に批判的だと感じる場合

  1. 他の人たちについての自分の推論が正確かどうかを検討してみましょう。
    自分の推論についての他者の意見を調査してみましょう。
  2. 「他の人」について、より具体的に検討してみましょう。
    人間関係を図にまとめながら、実際に批判的な人が誰と誰なのかを明確にしてみましょう。

場合によっては、そのような人との付き合い自体を考え直す必要もでてくるかもしれません。