「応援する」というアクティベーションスキル

人間には「優れた存在でありたい」という願望がありますが、その願望はより成長しようとする意欲を高め、そのために必要な行動を起こす原動力になっています。
しかし、それが強すぎると自分が他者より劣っていることを受け入れられなくなってしまうので、自分より優れている人や自分より良い環境にいる人を妬んで邪魔をしたくなってしまいます。

しかし「人の足を引っ張ること」「人の邪魔すること」「人の失敗を願うこと」を続けていると、自分の心にアンフルネに定着してしまいます。
こうした状態に陥らないようためには、「他者を応援する」というアクティベーションスキルが効果的です。

「なぜ他者を応援することが自分の心をフルネスに導くの?」と疑問に思う人もいるかもしれません。
その仕組みを理解していただくために、まずは顕在意識と潜在意識の特徴についてご説明します。

意識の構造

顕在意識と潜在意識

意識には「顕在意識」「潜在意識」「原始意識」の3つがあるといわれています。
普段自覚しているのは全体の10%にあたる顕在意識の部分だけです。顕在意識は論理的な知性や意志を司っています。
潜在意識は感覚やイメージを司っています。原始意識は生物としての種としての過去の記憶が詰まっています。

原始意識は遺伝子に埋め込まれた記憶ですから、意志の力でどれだけ働きかけても変化することはありません。
しかし、全体の80%を占めると言われている潜在意識は、これまでの人生の経験によって作り上げられたものですから、ある程度修正は可能だと考えられています。
潜在意識を修正する方法には催眠、イメージ法など様々なものがありますが「繰り返しの習慣」を見直すことがとても有効です。

スポーツでも仕事でも最初は難しいと思っていたことを「繰り返し」行っていると潜在意識に組み込まれて自動運転状態になっていきます。
潜在意識に組み込まれた内容は「自動運転」にかわり、意識せずに行うことができるようになっていきます。

叫ぶ・応援する女性

さて、ここで大切なのは潜在意識が論理的ではなく、感覚的なものでありイメージによる影響を受けやすいということです。
例えば、「お前なんか失敗してしまえ」という言葉を使ったり、頭の中で考えた時、「お前」という主語を潜在意識は認識せず、「失敗」のイメージだけを取り込みます。
そして、「失敗のイメージや感覚」が自分の潜在意識に送り込まれてしまうのです。
そして、「失敗のイメージや感覚」が何度も繰り返し潜在意識に送り込まれると、そのイメージが潜在意識に組み込まれてしまいます。
潜在意識に「失敗のイメージや感覚」が組み込まれてしまうと、潜在意識はそのイメージや感覚を実現するために、自動運転で24時間働き続けてしまいます。
つまり、知らない間に自分自身を「失敗」へと導こうとするのです。

潜在意識のパワーは全体の80%以上で、とてつもなくパワフルですから、組み込まれたイメージや感覚をドンドン実現していきます。
つまり、人の失敗を望むことは自分自身を失敗に導くということです。
諺に「人を呪わば穴ふたつ」というものがありますが、これば「他者に向けた呪いは自分にも返ってくるので、自分自身がその呪いによって滅びていく」という潜在意識の根本的な理論をあらわしたものです。

同じ原理で人を「応援する」と応援した時のイメージや感覚が潜在意識に組み込まれて、それを実現しようと働き始めます。
心の状態がフルネスになって、「頑張れ」「うまく行ってくれ」「成功してくれ」という思いを潜在意識が実現しようとするのです。
人を応援することで、そのイメージや感覚が潜在意識の中に組み込まれ、潜在意識がそれを実現しようと自動運転で働き続けるため、自分自身も「望ましい結果」へと導かれるいうわけです。

また、応援されると人はエネルギーをもらえます。
応援された人のエネルギーは応援した人にも影響を与えます。応援することでより大きなエネルギーが自分の中へと入ってくるのです。
「応援する」とうのは自分自身をフルネスに導くアクティベーションスキルなのです。
たくさんの人を応援できるアクティベーションスキルを身につければ、自分のフルネスを維持し、どんな時もハイパフォーマンスを出すことができるようになるのです。