ワーク32の準備−6
4:日常的コーピング(ストレス対処能力を向上するための日常できるコーピング)
強度のストレスに直面した時、人間脳を取り戻すためのコーピング(フルネスアクション)を行って人間脳の働きを取り戻し、準備しておいた瞬間的コーピングを行い、その後のストレス体験の影響からできるだけ早く自分を解放するためのコーピングを行うという流れで、少しでもストレスからの悪影響を受ける時間を短くする取り組みを行います。
しかし、この流れ通りに行っても上手に感情を切り替えることができないかも知れません。
考えられる原因は2つあります。
- コーピングの内容が自分にとって適切ではない
☆リフレーミングを行っても気分が切り替わらない場合は、リフレーミングのスキルが十分ではなく、自分にとって受け入れやすく効果のある解釈や見方がみつかっていないのかもしれません。
☆自分の表象システムでは身体感覚(触覚)が優勢なのに、コーピングで身体感覚に働きかけるものを取り入れていない。 - コーピングのスキルが未熟だった
☆サンドイッチ話法を使って相手の立場を尊重してみたが相手を怒らせてしまったといった場合は、言い回しやタイミング、仕草、声のトーンなどが未熟で相手に対する尊重を伝えきれなかったかも知れません。
☆深呼吸をおこなってもほとんど気分が切り替わらない場合は、呼吸筋が衰えていたり、猫背になっていることによって、しっかり呼吸ができていないかも知れません。つまり、コーピングを行っても、そのスキルが自分にとって適切でないものを選んでいたり、スキルが未熟なことによってコーピングの効果を得られていないことが少なくありません。
普段から自分にとって、より適切なコーピングへと改善、見直しを続けること、コーピングのスキルをより成熟させられるように日常的コーピングを継続しましょう。
例
- 深呼吸をしても感情を切り替えられない
夜寝る前、お風呂に入っている時に、吐く息を意識しながらリラックスする練習を継続する。
アロマを焚いたり、リラックスする音楽を流しながら行うことで、リラックス感が強くなり、呼吸と深いリラックス感がより強く条件付けされていきます。 - サンドイッチ話法を使ったのに相手を怒らせてしまった
自分の話している姿を動画で撮影したり、音声を録画して自分が相手にどんな印象を与えているかをチェックして改善を続ける。
あるいはイメージトレーニングを行う。
ポイント
リラックス感でも、安心感でも たくさん使ってきた感情や感覚は強くなっていますし、新しい話法や態度も頭で覚えただけでは実際の場面で効果的に使用することはできません。
自分が用意したコーピングを使ってもうまく感情を切り替えられなかった、うまく対処できなかったとしても諦めないでください。
コーピングのスキルやそれにともなう必要な感情や感覚を強化するトレーニングを毎日繰り返し続けてください。
どんなコーピングをとるにせよ、最初からうまくいくものではないということです。
数回のチャレンジで「うまくいった」「うまくいかなかったか」と一喜一憂するのではなく、うまくいく確率を上げていくことに意識を向けていきましょう。
何度も繰り返して行うことで、成功率が徐々に上がっていきます。コーピングの改善とコーピングスキルの向上を継続していきましょう。
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