多様性を探る
レッテルを貼ることで、その人や出来事についての判断を早め短時間で意思決定することができるようになります。しかし一度レッテルを貼ってしまうと、そのレッテルというシートを通して、その人(自分、他人)を見るようになってしまいます。判断や行動が早まって結果を得ることが早くなるのは良い面ですが、そのことで、そのレッテルに反する事実や出来事を無意識のうちに無視し、そのレッテルに当てはまらない情報は受け取れなくなってしまいます。
そうなると、そのレッテルに該当しない情報を受け取ることで受け取ることができるはずだった恩恵を受け取れなくなってしまいます。その結果とてもネガティブな状況に陥ってしまうこともあります。ある特定の行動に注目して、それをその人の全人格にあてはめてしまうことで、その人の長所を見つけることができなくなったり、ある特定の行動をする人をすべて嫌いになったりして人と関わることが難しくなったりします。
人の行動を理解するためには行動を生じさせた状況に注目する必要があります。つまり、ある瞬間の場面に焦点化を合わせるのではなく時系列に沿って考えるということです。また計測方法を2分割(好き、嫌いの極端な2つに分ける)のではなく、その強度を考える(彼の行動は20%嫌いだ)ことも大切です。(レッテル貼りをするときは、「2分割思考」をすることが多いものです)
多様性を探るシートの使い方
ネガティブレッテルを自分に貼りつけ自己批判をする方が現実的で、それが動機付けになると考える場合、レッテル貼りをして自己批判することの損益分岐をしてみましょう。
行動による自己強化の効果に気づくのには最低3週間はかかります。3週間以上は継続しましょう。