苦しみを生む自動思考
自動思考は認知行動療法の用語で、何かの折につけ自動的に頭に浮かんでくる考えのことです。この考え方のパターンが人の言動の基本になっていて、それが不利益をもたらす場合は見直す必要があります。強すぎると不利益をもたらしてしまう典型的な自動思考のパターンを紹介していきたいと思います。
同一化・同一視
自分にとって重要な他者と自分を同じものとみなすこと
他人の優れた能力や行動を自分のものであるかのようにみなすこと
歌手になりたい、デザイナーになりたい、レーサーになりたい、あの俳優みたいにカッコよくなりたい・・どんな人になりたいですか?理想というのは自分がなりたいもの(なれるかどうかはわかりませんが)です。あんな風になりたいと願い、そうなれるように日々努力を続けるというのは、とても素晴らしいことだと思います。
でもなりたいという気持ち持ちが強過ぎると、過度のプレッシャーや焦りを感じ、そうなれないことが劣等感になって消極的になってしまうことがあります。
そんな時過度のプレッシャーから逃れるために頭のの中で仮想の自分を作り出し自分を守ろうとするのです。
しかし目の前の問題からいつも逃避してばかりいると、どうなってしまうのでしょう?考えている間だけは心の中にある「劣等感」から逃れることは出来るかもしれませんが、それでは本当に劣等感を克服することはできません。
優れた能力を持った人のいつも近くにいて、その人の優れた能力が自分のものであるかのように感じて劣等感を忘れようとしたりする場合もあります。確かにそうした素晴らしい人の近くにいたり、その人に大切にされると、周りもそのように扱ってくれる場合もあります。
しかし、その人と過ごす時間が終わりを告げた時、自分自身が忘れていた劣等感とまた向き合うことになるでしょう。
仲間を作ったり、憧れを抱いたり・・とても素晴らしいことではあるのですが、それが自分の劣等感を隠すものになってしまうと最終的に自分自身が辛く苦しい思いをすることになります。
こうした傾向が強い人は・・
リフレーミングスキルを身につけ物事の別の側面に焦点を当てられるようにすることで自分の長所に目を向ける、劣等感を克服し素晴らしい人生を送っている人の人生や考え方を学ぶために伝記を読んだり、映画を観たりすると良いでしょう。とびぬけた能力がないと人として自分を認められないという人も中に入ると思います。そんな人は人としての価値とは何だろうということについて身近な人と一緒に考えてみるのも良いでしょう。
先送りした問題と向き合うことができなくなることで解決できない問題をたくさん抱え続けることになってしまいます。