真夜中のSNSと、心のチクッとした痛み
自分だけの基準を見つけ、迷いを自信に変える方法
このままでいいのかな?
静かな夜、ベッドの中でスマートフォンの淡い光だけが部屋を照らす。なんとなく開いたSNSには、結婚した友人、キャリアで成功している同僚、海外で自由に暮らす知人の姿。キラキラした写真が、スワイプするたびに流れていく。
そのとき、胸の奥が、ほんの少しだけチクッと痛む。言葉にはならない焦りや、将来への漠然とした不安。誰かと比べているわけじゃない。そう自分に言い聞かせても、心の表面がさざ波を立てるのを感じる。
もし、あなたがそんな夜を過ごしたことがあるのなら。 大丈夫。その気持ちは、あなた一人だけが抱えているものではありません。まずは、その心のさざ波に、そっと耳を澄ませてみることから始めてみませんか。
なぜ、あなたの心は曇り空なのか?
では、なぜ私たちの心は、時々そんな風に曇ってしまうのでしょうか。それは決して、あなたの意志が弱いからではありません。実は、現代を生きる私たちが、知らず知らずのうちに陥ってしまう「2つのワナ」が関係しています。
ワナ1「選択肢が多すぎる」
現代は、生き方も、働き方も、幸せの形も、無数の選択肢で溢れています。それは本来、とても喜ばしいことのはず。しかし、選択肢が多すぎると、脳は選ぶという行為だけで疲弊してしまいます。これが決断疲れと呼ばれる状態です。30代になり、キャリアやライフプランについて真剣に考え始めると、この決断疲れは、知らないうちに心を重くする原因になります。
ワナ2「他人のモノサシ」
私たちは、無意識のうちに世の中の正解や、SNSで見かける理想の暮らしを自分のモノサシにしてしまいがちです。まるで、自分のものではない素敵な家に、サイズの合わない服を着て住んでいるようなもの。最初は良くても、だんだんと窮屈になり、息苦しくなってしまいます。この他人と比較してしまう癖が、自分らしさを見失わせ、自己肯定感を少しずつ削いでいくのです。
なぜ「こだわり」を手放せないのか?
1. 認知的不協和
「価値観」と「行動」の矛盾による不快感
2. サンクコスト効果
「ここまで投資したんだから…」と過去に囚われる
3. 現状維持バイアス
不満があっても、未知の変化より現状を好む
執着の強化
行動を変えず、現状を正当化して不快感を解消しようとする
この2つのワナにはまると、自分軸がないと感じたり、人生に疲れたと感じやすくなったりします。でも、安心してください。そこから抜け出すための、確かな方法があります。
あなたの中に眠る宝物の見つけ方
具体的な方法に入る前に、少しだけ、遠い日のことを思い出してみませんか?
子供の頃、何に夢中になっていましたか。 時間を忘れるほど、ただただ熱中できたことは何でしたか?
それは、絵を描くことだったかもしれないし、泥だらけになって虫を探すことだったかもしれません。誰かに褒められるためでも、何かの役に立つわけでもない。
ただ、心が「楽しい」「好きだ」と感じていた、あの感覚・・。
その温かい感覚こそが、あなただけの価値観を見つけるための、最初の、そして何より大切な手がかりです。その感覚を頼りに、あなただけの「価値の羅針盤」を作っていきましょう。やり方は、驚くほどシンプルです。
インタラクティブワーク「価値の羅針盤」を作ろう
ステップ1 心に響く言葉を拾い集める
下の言葉のリストの中から、直感で「気になる」と感じるものをクリックして選んでみましょう。(複数選択可)
ステップ2 拾った言葉と思い出を繋げる
次に、選んだ言葉とあなたの過去の経験を結びつけます。例えば「自由」を選んだなら、「どんな時に自由だと感じたかな?」と自分に問いかけ、具体的な場面を下の欄に書き出してみましょう。
ステップ3 あなただけの定義を言葉にする
最後に、言葉と経験を組み合わせて、「あなたにとって、その価値がどういう意味を持つのか」を短い文章にしてみましょう。
すごい人にならなくても、大丈夫!
この羅針盤は、あなたをどこか遠くの理想の場所へ連れて行ってくれる魔法の道具ではありません。
これは、日々の小さな選択に迷った時、「どちらの道が、より自分らしいだろう」と、そっと指し示してくれる、心のお守りのようなものです。
すごい人にならなくてもいい。
正解を選び続けなくてもいい。
あなたが、あなたの羅針盤を頼りに、「これがいい」と心から思える選択を一つひとつ積み重ねていくこと。
それこそが、誰とも比べようのない、あなただけの豊かな人生を紡いでいくのです。
あなたの人生の主役は、他の誰でもない、あなた自身なのですから。
