防衛機制とその機能

防衛機制とは「心の安定をはかるための自我による無意識的な防衛」です。
防衛機制には、抑圧、昇華、投影、退行など様々なものがありますが、自分を守るために無意識のうちに行われます。

自分で理解できないような感情や衝動が起こるのは、防衛機制によって、無意識のうちに行っている心の操作の副作用かもしれません。
どんなものがあるのかを理解し対策を考えていきましょう。

投影

自分が抑圧している思考、感情、要素を自分ではなく相手が持っているように感じること。

投影は自分自身の受け入れがたい欲望や感情、要素を否認するところから始まります。
例えば、「人を憎むのはいけないことだ」という信念の強い人は、自分が人を憎んでいるという感情を受け入れられません。

しかし、その感情を消し去ることができないので、相手が自分を憎んでいるように感じることでその感情を受け入れようとします。
自分自身の心を守るために、自分の気持ちを相手の中に移してしまうのです。

そうすることで、自分が大切にしている価値観やルールを守り、自分の心の尊厳を保とうとするのです。
しかし、そうなると、ありのままの自分を受け入れ、大切にしたり、自信を持って暮らすことができなくなってしまいます。

状況に応じた正しい判断ができなくなり、現在の状況を悪化させたり、不必要なトラブルを招いてしまうことも増えてしまうでしょう。
もし、誰かを「理由は分からないけど憎まれている」と感じる場合は、その憎しみが「自分の中に隠れている誰かを憎む気持ちかもしれない」という視点からとらえなおしてみると良いでしょう。

また、そうした傾向が強い人は、「なぜ、自分がその人の中にその感情(人間性、要素))を感じるのか?」について、根拠と反証、根拠の質につついて検討してみましょう。
カウンセリングの知識_投影

投影の傾向が強すぎる人は・・

根拠と反証

信念:あいつは僕を憎んでいる
 根拠  反証
 様子を見ていればわかる  あった時は笑顔で話してくる
 そう感じるから  この間、心配して電話をくれた
根拠の妥当性= 10%    反証の妥当性= 90%
根拠の妥当性―反証の妥当性= 60%
  結論根拠に合理性がなく、自分の印象や感情が優先している。もう少し冷静に考えてみる必要がありそうだ。

根拠の妥当性

信念:あいつは僕を憎んでいる
 根拠  根拠の質や合理性に関する検討
 様子を見ていればわかる そう感じるから  見た目で相手の真意がわかるなら、人間関係で苦労する人などいないだろう。
確かに感じるということは大切だけど、昔大好きだった子と話した時に、「僕にはずっと嫌われていたと感じていた」と言われた。感じが外れることも多いかもしれない
信結論 感じや見た目など抽象的な根拠しか見つからない、本当にあいつは僕を憎んでいるのだろうか?全く別の理由でその感じがするのかもしれない。