苦しみを生む自動思考
自動思考は認知行動療法の用語で、何かの折につけ自動的に頭に浮かんでくる考えのことです。この考え方のパターンが人の言動の基本になっていて、それが不利益をもたらす場合は見直す必要があります。強すぎると不利益をもたらしてしまう典型的な自動思考のパターンを紹介していきたいと思います。
ポジティブな側面の割引
自分や他人が努力して成し遂げたポジティブな結果を些細でつまらない事だと決めつけること
「子供の頃に人に優しくされたことが少なかった人」、「十分な愛情を貰えなかった人」は、人から優しくされたり、愛情を貰ったりしても、「~だから仕方なくしてくれたんだ」といった具合に、その行為に対して理由をつけて割り引いて考えてしまうので、素直に好意からしてくれたことだと感じられなくなってしまいます。また自己評価が低いと自分のできたこと成し遂げた成果について、「私ができるんだから・・・(誰でもできる、大したことない)」と割り引いて結論づけてしまう傾向があります。
ある程度は謙遜・遠慮と受け取れるので良い結果を産み出すこと多いのですがこの思考が強すぎると、他人への感謝の気持ちを持てなくなったり自分をほめる機会をなくしてしまうので、自分や他人を認め受け入れて自信を持って生きていくことができなくなってしまいます。
- 僕にできたのだから、それは大したことではない
- 彼女が良くしてくれるのはクラスメートだから仕方なくしてくれるんだ
こうした傾向が強い人は・・
- 人の行動や言葉に理由を探すのではなく、行動や言葉そのものに意識を向ける練習をする
- 小さな出来事に感謝をしてみる
- 大きな成果ばかりに目を向けるのでなく、目の前の小さな成果が大きな成果につながっていることを確認する
など目の前の出来事に意識を向け、小さなことを喜んだり感謝したりする練習をしていきましょう。
最初は違和感があるかもしれません。しかし、そうすることで、自分を褒めたり周囲に感謝する機会が増えるので喜んだり感謝したりする感覚・感情の回路が鍛えられていきます。感謝や喜びに意識を向け回路を鍛えていきましょう。
また、自分の短所とセットになっている長所を探す練習をし、自分の良さを確認するのも良いでしょう
- 仕事が遅い ⇔ 慎重、仕事が丁寧
- 大雑把 ⇔ 決断力がある など・・・