腕から気持ちを察する
王者の姿勢
腕を後ろ手で組む仕草を「王者の姿勢」といいます。
王者の姿勢は「近付くな」「触れるな」というメッセージです。 高い地位の人(会社の重役や弁護士など)が、腕を後ろ手で組みながらゆっくり歩く姿は想像しやすいと思います。
両腕を後ろ手で組む仕草は、
- 私は高い地位についている
- 近づくな
- 触れるな
- 話しかけるな
という強いメッセージを発します。
素晴らしい芸術作品に見とれているときなどは、この仕草をしながら様々な思いを巡らせていることもありますが、ほとんどの場合、1〜4のメッセージを表しています。
この仕草は「嫌いなもの」や「一緒にいたくない人」に対して使います。
腕は周囲にある脅威や好ましくないものから身を守ったり、距離を取るための防御壁の役割を果たします。
ですから腕を観察して「人」や「もの」に対してどう使っているかを見極めることで、それ対してどう感じているかがわかります。
- 混雑した場所を歩く人
腕を使って周囲と距離をとって身を守っています。
歩きながら他人が近付きすぎないよう防いでいるのです。 - 人間関係
挨拶する時、挨拶の前後の相手の腕を観察してみましょう。
腕をどう使っているかを観察することで関係性が見えてくるはずです。 - お母さん
幼い子が抱っこをおねだりする度に、お母さんがこの仕草をしたとしたら、その子は果てしない孤独の中で育ち、甘え方がわからなくなってしまうでしょう。
ネグレクトなどの兆候を疑うこともできるでしょう。 - カップル
一緒に歩いている男女のどちらかがこの姿勢をとっていたら、その時点での2人の関係は親密ではありません。
何かの喧嘩をした直後なのか、相手に対する興味を失っているのかはわかりませんが、この姿勢をとっている人物は、相手に近づかれたり、触れられたり、話しかけられたくないのです。
この仕草は相手とのスキンシップを拒絶するメッセージを表しています。
握手を求めて相手に向かって手を差し伸べた時、相手が手を引つ込めてしまったら、どんな気持ちになるでしょうか?
スキンシップを求めて腕を伸ばしたのに、その求めを拒絶されたらほとんどの人あ、意気消沈してしまうでしょう。人間は他の人に触れてさえもらえない存在だとは思いたくないのです。
人が幸せを感じるためにはスキンシップがとても重要です。
人は動物であり、他の動物がそうしているように、スキンシップをすることで、相手がどう感じるかを測るからです。
好きなものには手を伸ばし、嫌いなものからは手を引っ込めるのです。
不快なもの、健康に悪いもの、危険なものを遠ざけるよう動物はプログラムされているのです。
そして、この仕草はスキンシップの拒絶を表していて、それにより自分に対する相手の気持ちを読み取るポイントの1つになります。
もし、相手への気持ちとは関係なく、癖でこの仕草をしていることに気づいたら、腕を大きく動かし相手に伸ばして見ましょう。
相手への拒絶の意思がないことを伝えるのです。
[cft format=1]
[cft format=2]