ワーク32の準備−2
コーピングについて
「コーピング」とは以前も説明いたとおり「ストレス体験に対する意図的な対処」のことです。
簡単に言えば「ストレスを感じた時の自分の助け方」です。
このコーピングには、認知行動療法で扱う「①認知的コーピング」(考え、捉え方への働きかけ)と「②行動的コーピング」(行動への働きかけ)、さらには「③身体的コーピング」(体への働きかけ)、「④感情的コーピング」(感情への働きかけ)、「⑤環境的コーピング」(環境への働きかけ)、「⑥その後の対処に対するコーピング」(対処策への働きかけ:これにも認知、行動2つのアプローチがあります)があります。
ストレス耐性の強さがストレス耐性の強さがコーピングレパートリーの量と関係していることは前回ご説明しましたが、ストレスに弱いといわれる人はコーピングレパートリーが少ないか特定の分野に偏っている傾向があるのです。
例えば、
- 納得がいかないと納得がいくまで考え続ける(認知)
- イライラすると必ずやけ酒を飲む(その後の対処)
- 話が通じないと大声で相手を威圧する(行動)
など、特定の分野の特定のパターンを繰り返すのです。
しかし、人は使ったところが強くなりますし、繰り返すことで条件反射が身についていきます。
ですから、イライラした時にはお酒を飲むという対処策ばかりとっていると、お酒を飲んでいるとイライラするようになりますし、イライラした感覚も強くなっていきます。
また、イライラするとお酒を飲まずにはいられなくなっていきます。
ですから、ストレス状況に対して、多くのコーピングレパートリーのバリエーションから、その状況に合ったものを選び出したり、組み合わせたりしてストレスから受けるダメージを最小限にとどめて、自分を守れるようになっていくことを目指しましょう。
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