行動的家族療法の効果を上げるために
- 片親である場合(サポートの役割上の問題)
- 夫婦間に問題がある場合
- 親が情緒不安定な場合
- 強いストレスを感じるライフイベント(大好きな人の死など)ある場合
は効果が出にくくなります。
このように、行動的家族療法の効果が出にくい環境にある場合には必要に応じて
- 対処の時期をずらす、延期する
- 親の個人的問題がある場合は親にカウンセリングを受けてもらう
- 夫婦間に問題がある場合は夫婦でカウンセリングを受けてもらう
- 必要な補助者を探す
などについて行動的家族療法をスタートする前によく検討して、必要な場合は実施しておきましょう。
また、行動的家族療法を行う場合、可能な限り家族の全員が参加できるように工夫する必要があります。
家族の中に非協力的な人物がいる場合、
- 非協力的な人物とカウンセラーが直接話をする機会を持つ
- 参加できる家族だけでスタートし、並行して非協力的な人物に参加してもらえる方法を考え、参加してもらえうための交渉を継続的に続けていく
など、家族内の非協力的な人物に参加を働きかけていく手続きが必要になります。
注意が必要なこととして、IP(問題行動を起こす人)が子供の場合、親とサポートする人(カウンセラーなど)との会話が中心になって、子供が精神的に孤立してしまうことがあります。
そうなると、子供は親やサポートする人が自分に無関心で、結託して自分を阻害しているように見えてしまいます。
ですから、IP(問題行動を起こす人)が子供の場合、親もサポートする人も積極的に子供に話しかけるようにして、子供が疎外感を感じてしまわないように注意することが大切です。
また、家族が行動修正の方法を覚えた後、家族間での関係性が威圧的で強制的ななものになってしまうことがあります。
行動的家族療法の効果が出にくい場合、それが大きな原因となっているケースも珍しくありません。
そんな場合は、行動的家族療法に参加する家族全員がお互いに肯定的にかかわって、上手に愛情を表現する方法について検討し、家族全員がそうしたスキルを向上させていくことが必要です。