息を止めてみよう!
腹式呼吸法のメリットや、やり方についてはすでにご紹介しました。
ここからは腹式呼吸をマスターしたという前提で、さらに1段レベルアプしたクンバカという腹式呼吸法をご紹介します。
クンバカ呼吸法はヨガで用いられる呼吸法で、「息を吸う」「息を吐く」に加えて、「息を止める」というステップが加わります。
なぜ、息を止めるというステップが加わるかというと、「息を止めること」と「集中すること」の間に密接な関係があるからです。
何かに集中している時、息を止めているということは日常でも多いのです。
射撃や弓道、ダーツなど瞬間的な集中力が要求されるスポーツでは、その瞬間呼吸を止めて集中力を極限に高めています。
人は集中すると無意識に息を止めてしまうのです。
ですから、呼吸に「息を止める」というステップを加えることで、頭の中から離れない様々な考えやイメージから呼吸へ意識を移し集中する力を高めながら、腹式呼吸によるリラクセーション効果を高めていくのです。
クンバカ呼吸法
- 目を閉じて呼吸に意識を集中しましょう。
息を吐き出します。 暗い気持ち、悪いものが息と一緒に出て行くのをイメージしましょう。
6秒かけてゆっくりと息を吐きましょう。 - 鼻から呼吸を吸い込みます
さわやかで明るい空気が体に取り込まれるのをイメージしましょう。
2秒で息を吸い込ましょう。 - 息を止めます。
4秒間止めましょう。 - 呼吸をするたびに数を数えていき、10までいったら、今度は、9、8、7…と数を下げていきましょう。
- ①~④を4,5分繰り返します。
「ゆっくり吐くこと」を意識して、「吸う:止める:吐く=1:2:3」になるようにしていきましょう。
慣れてきてたら、少しずつ時間を延ばしていきましょう。
- 9秒間かけて吐き、3秒間で吸い、6秒間止める
- 12秒間かけて吐き、4秒間で吸い、8秒間止める
- 15秒間かけて吐き、5秒間で吸い、10秒間止める
- 18秒間かけて吐き、6秒間で吸い、12秒間止める
という具合です。
また、「吸う:止める:吐く=1:1:1」にするという方法もあります。この場合も、
- 2秒間かけて吐き、2秒間で吸い、2秒間止める
- 3秒間かけて吐き、3秒間で吸い、3秒間止める
- 4秒間かけて吐き、4秒間で吸い、4秒間止める
↓
10秒間かけて吐き10秒間で吸い、10秒間止める
といった具合です。慣れてきたら、この時間をできるだけ延ばしていってください。
- 集中力を高めたいときは「吸う:止める:吐く=1:1:1」
- リラックス能力を高めたいときは「吸う:止める:吐く=1:2:3」
といった使い分けをしてみると良いでしょう。
これらの呼吸法は、基本的には、「口で吐き、鼻で吸う」といった方法でおこないますが、鼻で吐いて鼻で吸ってもという要領でおこなっても大丈夫です。
いずれにして、息を止めるという行為が入りますので、決して無理しないでください。
息を吸うときに体を活性させる交感神経が優勢になり、息を吐くときに体を沈静化させる副交感神経が優位になります。
息を吐く長さ、息を吸う長さ、息を止める長さをコントロールしながら体と心の状態をコントロールする練習をしていきましょう。