消去をスムーズに実行するために大切なこと
これまでターゲット行動をすることで報酬(快の増加、不快の減少)を得ることができていたのに、突然ターゲット行動をしても報酬を得られなくなると、報酬を得るために、これまで以上にターゲット行動を激しく繰り返すことがほとんどです。
自らの意志で行ったとしても、意識が報酬へと向いてしまい、これまで以上に報酬への欲求が高まったかのように感じます。
消去の原理では報酬が得られなくなると、ターゲット行動が減少していくはずなのですなのですが、減少し始めるまでの間ターゲット行動の増加(あるいは欲求や衝動の増加)が起きるのです。
この現象を反応バーストと呼びます。
反応バーストが起きた時、最も良くない対応は、消去するために無くした報酬を与えてしまうことです。
一度与えてしまうと、ターゲット行動は、以前より消去されにくくなってしまいます。
自ら行う時も「一度ぐらい」と自らに与えてしまってはいけません。
自分を責めて意欲をなくしてしまいます。
大切なことは、反応バーストが起こっても、冷静に対処して、計画通りに報酬を与えないという強靭な意志を持つことです。
自分で行う場合は無理やり意志の力で欲求や衝動を抑え込むのではなく、別の事に意識を向けたり、別の楽しいことをしたり、体を動かすことで欲求や衝動のエネルギーを消費したり、他者と関わることで悩みを共有したりすると良いでしょう。