長期間、特定の体験の記憶から好ましくない影響を受け続けていて、その影響を言葉や行動によって緩和、修正しようとしてもうまくいかない場合があります。
体験した感情が強すぎて記憶に含まれる思考や感情に抵抗できなくなっているのです。

カウンセリングのポイント

カウンセリングのポイント

こういう場合、記憶やイメージ、思考、感情を詳細に描写しながらストーリーを書き出し、そのストーリーを解釈し直して、作り直してしまうと言う方法が効果的です。
好ましくない影響を与えているスキーマの源になっている体験の記憶の、解釈の仕方、ストーリーを変えてしまう取り組みをするのです。

例えば子供の頃、同級生にイジメられていた体験があることで現在の対人関係に問題を生じている人は、自分をいじめた相手をを小さく、弱く、愚かな存在として描写し、自分を強く、積極的で、自分をいじめた相手に十分抵抗できる存在としてイメージし直すのです。

このような描き直しによって、これまでのやられっぱなしの犠牲的で弱い自己イメージが修正され、自分を強くて有能な存在として感じられるようになるのです。
イメージを描き直すこのような技法は、虐待やイジメなどの経験から生まれたスキーマへの対抗策として特に有効です。

練習方法

  1. 「ストーリーを語り直す」をつかって、以前に受けた辛く苦しい体験について思い出して詳細に書き出しましょう。
  2. 出来事が起きた時、相手や自分に対して、どのように感じたり考えたりしたかを書き出しましょう。
    視覚、聴覚、体の感覚を1つずつ丁寧に想いだしイメージしていきましょう。
    その時何を考え、何を感じていたのかも丁寧に思い出し感じていきましょう。
    イメージした映像が自分の目で再体験しているような場合は、ゆっくりと深呼吸してリラックスしなおすか、ベランダやビルの窓からその映像を見ているような感じでイメージし直して記憶との距離を保ちましょう。
  3. 肯定的なイメージでストーリーを描き直しましょう。
  4. 3を詳細にイメージしましょう。
    視覚、聴覚、体の感覚を1つずつ丁寧に想いだしイメージしていきましょう。
    その時何を考え、何を感じていたのかも丁寧に思い出し感じていきましょう。
    イメージした映像が遠くから自分を見ているような場合は、自分の体にできるだけ近寄り、できれば自分の体の中に入って自分の目で直接見て感じている状態になりましょう。
    相手の体を小さく、自分の体を大きくイメージしたり、色調を変化させたり、バックミュージックを流してみたり、舞台演出の監督になったつもりで自由にイメージを演出してみましょう。
  5. 4の後、その記憶についてどのように感じたり、考えたりできるかを書き出しましょう。
認知行動療法-ストーリーを語りなおす

認知行動療法で使用する「ストーリーを語りなおす」の記入例

90:「ストーリーを語りなおす」シートのダウンロード

以下の事について検討してみてください

  • 対人関係でのストレスがあると、その時の辛く、苦しいイメージや記憶を思い起こされ、自分が攻撃され、立ち直れなくなってしまった感じていませんか?
  • その辛く苦しい体験のイメージやストーリーを作り直しましょう
  • 自分自身を強く、大きく、たくましい存在として描きましょう。
  • BGM、視覚的効果、身体感覚に演出を加え、イメージしなおしてみましょう。
    映画監督になったつもりで思い通りの演出をつけてみましょう。
  • 自分を虐待した人(いじめた人)について、弱くて、小さくて、愚かな存在であると描いてみましょう。
  • 現在の自分は、虐待者(いじめた人)を支配し、批判し、罰する事のできる存在です。
    そんな自分の姿をイメージしてください。
  • そして、その人に向かって、『宣言したいこと』を声に出してきっぱりと宣言してみましょう。

ストーリーを語り直す中で、自分が恐れている相手と対決することを考えると不安になってしまう人もいるでしょう。
そのような人は、「また自分が痛めつけられてしまうんじゃないか?」「自己主張などしたら、ひどい目に違いない」と考えているのかもしれません。

そして、そのような場合は、無理にこの技法に取り組む必要はありません。
どのようなことを考えていたかを紙に書き出しましょう。以下の文章を完成させてみるのも役に立つでしょう。

その出来事と対決するイメージを思い浮かべたら、私は不安にかられてしまうだろう。なぜなら~だからだ。

また、リラクセーション技法を身につけてから行ったり、その記憶に対するリフレーミングを行ってからイメージに取り組むのも良いでしょう。

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