スキーマを修正しようとすると強い抵抗が生じます。
- 認知的、感情的な回避(保護ベルト)
- 重要な記憶が思い出せない
- 解離(現実感を伴わない)
- スキーマの埋め合わせ
- スキーマの回避
- 修正の回避
- ネガティブな感情が湧き上がる
などです。
スキーマは自分を守るためにつくりあげてきたものですから、それを修正するのは自分をさらけ出すことになるため、強い恐怖や不安といってネガティブな感情が伴うのです。
しかも、スキーマが出来上がってから長い年月をかけて、スキーマに合致する情報を集めつづけ強化されています。
ですから、あるスキーマのために辛い思いをしていることがわかっていても、それが正しいと信じてしまうのです。
しかし、勇気をもって取り組めば、他のあらゆる思考と同じようにスキーマを明確化し、向き合い、現実と検証しながら再検討することができるのです。
それらの作業を通じて、現在のスキーマを、最初は一時的なものになりがちですが、他スキーマに置き換えられるようになっていきます。
そして、その新しいスキーマを、現実的な生活の中でテストして、新しいスキーマに合致する情報を集めることで、新しいスキーマを定着させていくことができるのです。
スキーマへの取り組みを継続するには、修正のための強いモチベーションが必要です。
修正することで得られる利益をシッカリと確信することでモチベーションを強化していくのです。
また、今後ご紹介していく、「幼少期の記憶を想起する際の不安や恐怖について検討する技法」も併せて行っていく必要があるでしょう。
練習方法
- 「スキーマを修正する価値を確認する」を使用してスキーマを書き出しましょう。
- 1のスキーマの修正によって生じる利益と不利益を検討しましょう。
- スキーマがどんな時に活性化されるかを明確にしましょう。
- スキーマが活性化された時、どんな事を感じたり考えたりしやすいのかを明確にしましょう。
- 望ましいスキーマを考えてみましょう。
スキーマを擬人化して敵対する相手と考えてみましょう・・「スキーマがそ言ってくるんだ」
80:「スキーマを修正する価値を確認する」シートのダウンロード
以下の事について検討してみてください
- スキーマ修正に取り組もうとして、自分の思考や行動に向き合うとことが辛く感じることかもしれません。
- スキーマ修正に取り組む場合、自分を辛くさせるようなことをしたり考えたりする事も時には必要です。
- 最終的なスキーマ修正の目標は辛さを緩和し、過去を越える事です。
- スキーマ修正に自らの意志で取り組み、それを変えていくという決意が必要です。
- スキーマを修正することで生じる、利益と不利益について検討してみてください。
- 現在抱いているスキーマによるネガティブな影響が弱くなったらどうなるでしょうか?
- 人間関係、仕事、自信やその他で、どんな変化が起こるでしょうか?
- 自分や他人対してのスキーマが、もっとポジティブになったら、どんな事がおこるでしょうか?
- どんな人間関係、経験、感情、考え方が生れるでしょうか?
スキーマを顕在意識の中で扱うことは十分に可能です。
次の点について、良く考えてみてください。
- スキーマを修正するために、認知療法を使って論理的に取り組めます。
- スキーマを修正することを決断し、認知療法の技法を自助的に、継続的に使用することで大きな効果が期待できます。
- スキーマを修正する取り組みを積極的に行い、スキーマを検討し、スキーマに反する行動をとることを継続的に行うことで大きな効果が期待できます。
スキーマを修正する困難に圧倒されて無力感を抱いてしまう人もいるかもしれません。
「自分の考えを変えていこうと言う事が非現実的だ」と考えてしまうかもしれません。
しかし、目標は性格を変えることではなく、スキーマが性格に与える影響を軽減するのが目的なのです。
自分はそのままあり続けるのです。
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