防衛機制とその機能

防衛機制とは「心の安定をはかるための自我による無意識的な防衛」です。防衛機制には、抑圧、昇華、投影、退行など様々なものがありますが自分を守るために無意識のうちに行われます。

自分で理解できないような感情や衝動が起こるのは、防衛機制によって無意識のうちに行っている心の操作の副作用かもしれません。どんなものがあるのかを理解し対策を考えていきましょう。

 摂取

自分の中に自分以外のものを取り入れて心の安定をはかること

スポイラーのタイトル
  • 大好きなスターの服装や好みを真似る
  • お母さんの口紅を真似て使ってみる

投影と逆で他者の中にある感情や観念・価値観などを自分のもののように感じたり受け入れたりすることをいいます。特に他者の好ましい部分を取り入れることが多くなります。

発達過程においては道徳心や良心の形成に役立ちますが、度が過ぎると主体性のなさに繋がったり他人の業績を自分のことと思い込んで満足する(同一視)など、自他の区別がつきにくくなり、成長/自己変革がしにくくなってしまいます。

成長過程の中で社会規範を学んだり成長することに必要な防衛機制ですが、時折いき過ぎたり暴走気味になったりします。摂取と同一視(同一化)は同じと考えられがちですが、摂取は同一視(同一化)の前段階だと言えます。摂取では自己と対象とがまだ区別されているからです。(同一視は、自己と対象の区別がなくなってしまっています)

この傾向が強すぎる人は・・

「自分が大切にしているもの」「何を求めて生きているのか?」「自分が何を持っているのか?」など「自分の現在地」を確認することが役に立つでしょう。

自分の中に好ましいと思われる感情や観念・価値観などを取り入れるのは素晴らしいことですが、時折「自分にとって大切なもの」「持っているのが当たり前すぎて気づかなくなっている大切なもの」を振り返り確認したり身近な人と話し合ってみようにしましょう。