想いが大切
人を叱ったり、褒めたりする時、相手の立場に配慮した言葉や言い方、話法などを上手に用いることは、とても大切なことです。
しかし、それ以上に大切なことは、「どんな想いで相手にその言葉をかけているか」ということがとても重要です。
人は言葉以外の言語(ノンバーバル)によって、言葉以上のメッセージを受け取っているからです。
ノンバーバルには表情、仕草、声のトーンなど様々な要素がありますが、その多くは自分の意思でコントロールできません。
ですから、どんなに思いやりのある言葉や言い方、話法を選んだとしても、相手に対して軽蔑や侮辱、批判的な想いを持っていると、そうした気持ちが相手に伝わってしまうのです。
反対に乱暴な言葉をつかって、ひどい言い方をしたとしてもお互いの間に信頼関係があったり、相手のことを心から信頼し、思い遣っているのであれば、多くの場合相手により良い影響を与えることができるのです。
また、叱る時も褒める時も、その基準に一貫性がない場合、相手は戸惑って、その言葉を真摯に受け止めることができなくなってしまいます。
その場の話に合理性があったとしても、毎回基準に差があるのでは相手からの信頼をなくしてしまうのです。ですから、「自分の基準」を明確に持ちましょう。
自分が迷った時、困った時、失敗した時に立ち戻れる「自分の基準」を明確に持ち、その基準に従って自らが行動し、その基準に従って相手を叱り、相手を褒めるのです。
明確にすべき基準
- 自分がどうありたいか?
自分が現在どんな人間で、どんな人間でありたいと考えているか? - 相手にどうあってほしいか?
叱ったり、褒めたりすることで、相手にどんな人間、状態になって欲しいと考えているか? - 相手にとってどんな存在でありたいか?
「相手に好かれているか?」「相手に嫌われているか?」という視点ではなく、「相手にとってどんな存在であることが良いのか?」という視点で考えましょう。
「明確にすべき基準」が明確になったら、相手への好意を育てましょう。もちろん人間ですから好き嫌いはあるでしょう。しかし、多くの場合相手に対する見方の基準を調整することで相手に対する気持ちは変化するものです。また、どうしても相手に対して好意を持てない場合は、無理に好意を持てなくても構いません。好き嫌いにかんけいなく、「人として誠実な接し方」をするように心がけましょう。
相手に対する好意を育てる接し方
- 自分への質問を変えよう
人は自分に質問をしながらその答えを得て感情を変化させていきます。
自分への質問を変えることで感情に変化を与えることができます。
なんであいつは言われた通りにできないんだろう?→言われた通りにできない理由はなんだろう? - 相手を大切な存在としてとらえる
相手をどんな存在としてとらえていますか?
自分の部下、後輩など自分の所有物として考えてしまうと許せないことが増えてしまいます。
「社会の宝物」「ご両親からお預かりした大切な人」「幼い子供の大切な親」など、その人が大切な存在であることを意識しましょう。 - 相手への質問を変えよう
「何ができた?」「どんな結果が残せた?」など、今の状態だけでなく、「あなたの才能はなんですか?」「あなたを生かせる場所はどこですか?」など、相手の才能や適正に目を向け、そのことについて聞いてみましょう。 - 時折追い詰めよう
相手をいつも追い詰めてばかりでは疲れてさせてしまいます。
かといって、いつも余裕を持たせていては実力が伸びません。
時折105%の実力を発揮しないと乗り越えられない課題を与えましょう。
その時の相手の頑張りは、あなたの中に好意や信頼を育ててくれるでしょう。
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