遺伝子に組み込まれた知識
鳥が何も教えられなくても時期が来ると種に特有の巣を作り、子育て行動をするように一部の知識は遺伝します。
ノンバーバルは、人間が言葉を産み出す以前から用いられてきた遺伝子に蓄積された知識(顔の表情以外の体が発するジェスチャーは、どういう育ち方をしたかで異なる部分があります)なのです。
ノンバーバルの発するメッセージについて理解出来るようになることは、人の本能的な表現(その瞬間の心の状態)を理解出来るようになるということです。
しかし、ノンバーバルの発するメッセージは、とても本能的で、感覚的なものです。
ほとんどの人はノンバーバルの発するメーセージを意識して論理的に理解したことはなく、ただなんとなく、感覚的にそう感じてきたはずです。
ですから、ノンバーバルを感覚ではなく意識のぼらせ理論として理解するためには、かなりの時間と練習が必要です。
一流の役者さんは厳しい訓練を経て、ノンバーバルをほぼ完璧に使いこなせるようになっているので、言葉がネイティブではなくても、世界共通の要素が強いノンバーバルを使いこなすことで世界で活躍できているのですが、一般の方には難しいでしょう。
しかし、一流の役者さんが使いこなしているノンバーバルを全て理解し、使いこなせるようになる必要はありません。
なぜなら、私たちは「一流の役者」を目指しているわけではな位からです。
ノンバーバルの強力な効果を論理的に理解し、相手へのよりきめ細やかな気遣いが出来るようになったり、癖として身につけてしまった誤解されやすいノンバーバルに気づき、それを改善しすることでより円滑なコミュニケーションに役立てられるだけで良いからです。
そういう目的であれば、基礎的なノンバーバルを理解して身につけ、使いこなせないノンバーバルについては、考え方の癖を見直したり、心の状態を整えることで十分に対応できるのです。
そうした練習を最初は「難しい」「大変だ」と感じるかもしれません。しかし、そうしたスキルを身につけることで
- コミュニケーションの質がどれほど向上するか?
- それによりどれほど人生の質が向上するか?
が想像できれば乗り切れるはずです。
車の運転免許を取ることも大変なことですが、その便利さを理解し、その便利さを享受したいと努力した人はほとんど取れているはずです。
ノンバーバルのスキルも同じです。
そのスキルを習得することでどれほど素晴らしいことが自分に起こるかを理解し、心から望めば。練習次第で誰にでも習得することができるのです。
ノンバーバルのスキルに魅力を感じた方は、ぜひ、その恩恵について考えてみてください。興味を持たれた方は一つずつ理解し、練習し、身につけていきましょう。