説得を受け入れてもらうためのコツ1
許容範囲と拒否範囲
他者から意見された時、その意見が自分の意見と近いとそれを受け入れられると判断します。一度受け入れた意見は自分の考と同じだったかのように感じてしまいます。実際は多少の誤差があってもその誤差については割り引いて考えてしまいます。自分の意見と近いと判断できるまでの意見の異なりの範囲を「許容範囲」といいます。
他者から意見された時、その意見が自分の意見と異なっていると受け入れられない判断します。一度受け入れられないと判断した意見は、自分の考えと大きく異なっていると感じてしまうものです。実際は自分の意見と重なる部分があっても、その部分は無視してしまう傾向があるのです。自分の意見と異なっていて受け入れられないと判断する境界を超えた部分を「拒否範囲」といいます。
提案された意見が許容範囲にはいってると、その意見が自分の考えと同じだと感じるので、その人の意見が受け入れた考えが近づくことになり、その人は自分の意見を変えていることになります。反対に提案された意見が否定範囲にはってしまうと、自分の考えと大きく異なっていると感じるので、その人の意見が提案された意見からさらに離れてしまって、それまでの自分の意見をより強固にしたり、反対の方向へ意見を変えてしまいます。
意見が拒否範囲に入ってしまうと説得や提案は受け入れてもらえません。
説得をする時は、その人の許容範囲内に入るギリギリの提案をすることが最も効果的です。
ちょっとでもその範囲を超えてしまうと説得はうまくいきませんし、拒否範囲に入ってしまうと相手が自分の意見をより強固にしたり、反対の方向へ意見を変えてしまうことになってしまうので、説得するためには許容範囲の見極めが極めて重要です。
また対象者がこだわりを持っている問題に対しては、他の問題に比べて受容範囲が狭くなってしまうので拒否範囲が狭くなり一層説得が難しくなってしまいます。そんな場合は一度に目的の意見を提案するのではなく、その人の現在の許容範囲を見極めながら提案し、その意見が受け入れられてその人に定着したら目的の提案に近づく提案でその人の許容範囲に入る提案をして徐々に目的の提案を受け入れてもらえるように導いていきましょう。
急がば回れということですね。