スキーマの源の記憶と向き合ってみよう
自分を苦しめるネガティブなスキーマを見直すためにできることの1つに、そのスキーマが形成された子供時代や思春期と向き合い再検討することがあります。どのような過程でそのスキーマが形成されたのかを再検討して、新しい見方を獲得することで、スキーマからの影響を緩和します。
- スキーマ関わる事柄で批判されたのでしょうか?
- スキーマを助長するような偏見が家庭にあったのでしょうか?
- 他人からからかわれたのでしょうか?
幼少期の記憶を1つずつ丁寧に思い出し向き合ってみましょう。自分を苦しめる感情や感覚にあえて意識を向け、生じるイメージ明確にしてみましょう。記憶を明確にしていく過程で、できるだけ詳しい状況や思考を1つずつ丁寧に書き出して、より鮮明に、明確にしていきましょう。
練習方法
- 自分を悩ませるネガティブな「〇〇というスキーマ」を書き出しましょう。
- 「スキーマに関わる幼少期の記憶」を使って〇〇というスキーマを感じた場面の記憶を書き出しましょう。
- 「その記憶にともなう感覚、感情、思考」を書き出しょう。
- 2、3を時間をかけてゆっくり、ジックリと丁寧に思いだしましょう。
- 4を1回20分、3セット行ってみましょう。
- 気づいたこと、今考えて思うことなどを書き出しましょう。
記憶を思い出すことが辛すぎて、この方法をやりたくないと感じたり、記憶と向かい合うことの有効性自体を信じられない人もいるでしょう。スキーマの記憶を思い出すことはとても辛いものです。
スキーマが再構成(思いだし、大人の視点で新しい認識を獲得したら)することで、その記憶からの影響に距離をおくことができるようになります。それによって記憶を思い出した時に辛さも軽減されます。
それでも辛すぎる人は?
それでもあまりにも記憶が辛すぎて、とても思い出せそうもないという場合もあるでしょう。その場合は、一旦、スキーマへの取り組みをお休みして、リラクセーションや呼吸法などの練習に取り組み、辛い感情が込み上げてきたときにその感覚を緩和する自信をつけてから改めて取組なおすのも良いでしょう。
効果を高めるために
スキーマに関連する記憶を思い出すことで、現在のスキーマを確証する場合もあるかもしれません。スキーマの源を明確にしても、その記憶についての新しい捉え方ができなければ記憶からの影響は変わりません。1つの出来事を色々な立場から検討するトレーニング(非機能的思考記録表など)を行ってから再度取り組んでみましょう。