メタファーを使ってみよう

自分を辛く苦しくさせる思考の癖と感情・行動の間で起こる悪循環は、これまでの生活歴の中で強固に習慣化されています。ですから、そのほとんどが自動化されていて自分にとっては当たり前すぎるので、改めて客観的に観察/把握(モニター)することはとても難しいことです。

認知の癖を見直していくためには自分を辛く苦しくさせる思考の癖と感情・行動との間で起こる悪循環が起きた後、その悪循環がどのような状況で、どのように現れているのかを注意深く観察・把握できるようになる必要があります。

そのための有効な手段の一つとして、悪循環に比喩的名前を与えて繰り返し表現していく方法があります。このことをメタファーを使った悪循環の言語化といいます。

名札

例)人と目が合うと「変な人だと思われたらどうしよう」と考え、緊張して下を向いて黙り込んでしまう ⇒ アイドキ
「目(Eye) + ドキドキ(ドキ)=アイドキ」

このように、その状況に名前を与えることで、その場面を意識することが容易になって、その場面を繰り返し意識にのぼらせ客観的に観察できるようになります。さらに一歩進んで、この状況を擬人化して「アイドキ君がまた出てきたよ」と、その状況を第三者として体験しているように表現してみることもお勧めです。言葉にするときに愛らしい感じがしたり、可愛い感じがするような名前にすると、ネガティブな感情と距離を置きやすくなります。

自分自身でその状況や行動・思考を意識しやすく言語化しやすい言葉、抵抗の少ない言葉を選ぶと良いでしょう。