思考・感情・行動の関係について

全く同じ状況でも、その状況をどう認識し、それに対してどう考えて、どんな行動をとるか、あるいはその状況がどんな結果生むと予測するかは人によって大きく異なります。
そして、それによって、気分も言動も変わってきます。

ポイント

ポイント

つまり状況をどう認識するかによって大きく気分も言動も異なってくるということです。
しかし、ほとんどの場合自分のどんな考え方が自分を苦しめているかを気づくことができないので、状況や運などの外部要因、自分の能力によって苦しんでいるのだと考えてしまう人が多いのです。

認知行動療法で認知の面から問題を緩和、解消しようとする場合、感情や行動に影響を与える予測や判断、個人内ルールやスキーマ(価値の基礎基準)などの考え方の習慣や癖に注目します。

認知・行動・感情、身体、環境が相互に関係し合いながら問題を生み出し、維持する悪循環が起きているという捉え方を基本にして、問題を緩和、解決するために役立つ認知の仕方を見つけ、それを定着していくことを目標とします。
問題の維持・増悪の仕組み

問題が継続する認知の特徴

問題が解決してからその時のことを思い出してみると「なんであんな風に考えていたんだろう?」と自分自身でも不思議に思ってしまうことは多いものです。
問題が継続して追い込まれているときは、1つの考えにとらわれてしまって、否定的で、柔軟性がなく、現実離れしてしまっていることも多いのものです。

過去に自分を守るために作り上げてきた情報処理システムが、その状況ではうまく機能せず、かえって問題を大きく複雑にしているのです。

そうした場合、それまでに行ってきた認知方法とは違う、新しい認知方法を開拓、開発し、現在の状況に適応し、上手く問題を処理できるようにする必要があります。
時間の経過、立場の変化など様々な変化により、それまでに作り上げてきた情報処理システムは、外界からの情報や記憶情報を適切に処理する事ができない状態になることがあるのです。

外界からの情報や記憶情報を適切に処理する事ができなくなると、これまでの情報フィルター(現状で役に立たなくなった情報処理システム)を通して現実世界を見てしまうので、過剰で柔軟性のない否定的な解釈に支配されてしまうのです。

ショックな女性

思考が固定化してしまうと・・

そして、そのことで

  • 自分に対する否定的な見方
  • 経験の否定的な解釈
  • 将来への否定的な予測

が強くなりすぎて、否定的な感情を引き起こし、自発的な活動を抑制してしまうのです。

問題に圧倒され、追い込まれることで固定化した状況の捉え方に柔軟性を取り戻し、別の捉え方を見つけ取り入れるスキルを身につけることが、問題の緩和、解決に結びついていくのです。