感情の強さを測定する

カウンセリングを行う場合、あるいは他者からの協力が必要な場合、感情の共有はとても重要な課題です。
しかし、感情はとても個人的な体験です。

ポイント

ポイント

ですから、感情を共有する方法として言葉使うカウンセリングでは、対象者の感情をカウンセラーが正確に理解し、共有することはとても難しいのが現実です。
そして、心理学的な知識が少ない一般の協力者(協力を要請する他者)であればなおさらです。

かなり怖い、結構怖い、めちゃくちゃ怖い、忘れられないくらい怖い・・こうした感情表現の範囲や意味合いは、個人によって大きく異なっています
ですから、このような普段使っている言葉による表現では、カウンセラーと対象者、周囲の人間との間に、大きな認識のずれがうまれてしまうのです。

こうした理由から、カウンセリングの場では、できるだけ数値を使って主観を評価します。

主観を定量的に共有する方法は、

  • 感情の強さを物理的に表現してもらう方法(ビジュアル・アナログ・スケール)
SUDなど
  • 評定尺度を使って回答を求める方法
評定尺度を判定する質問表などを使って計測します。

に大別されます。

感情を生理学的変化として捉える

計測器

計測器

感情の変化や刺激、支援のための介入によって起こる変化を評価するために、生理学的な変化(身体の変化)を測定することがあります。これをバイオ・フィードバックと言います。

  • 心拍数や血圧などの循環器系
  • 手のひらの精神性発汗
  • 筋肉の緊張など

などを指標として計測します。

これらの評価は専用の測定機器が必要ですから、導入するためにはコストがかかったり、測定のための環境を整える必要があります。

個人で行う場合は、厳密ではありませんが、以下のような方法を導入すると良いでしょう。

  • 脈拍を手首や首で測定
  • 手のひらの発汗の程度をチェックする
  • 手や肩の緊張度を確認する

バイオフィードバックを用いる事で、心の状態の変化を測定するだけでなく、リアルタイムで自分自身も心の変化を確認する事ができるので、自覚できない心の変化を様々な条件と結びつけて自覚していく事ができます。