スキーマの回避
もうひとつ問題になるのは「スキーマの回避」です。「自分のスキーマを活性化させるような状況を一切避けようとする」というのがスキーマの回避です。
例えば自分に対して「自分はダメな奴だ」というスキーマを持っていたとすると、スキーマが活性化してしまうのを避けるために、
- 自分が完ぺきに対処できるという自信がない事(難しいと感じること)は避ける
- 何かをやり始めても、納得ができる結果を得られないとすぐにやめてしまう
といった回避行動をとるようになります。
また「私は愛されない」「私には魅力がない」というスキーマを持っていると
- 人との交際を避ける
引きこもりなど - 自分を受け入れてくれない可能性を感じる相手とは最初から付き合わない
といった方法で「愛されない」というスキーマが証明されることを防ごうとします。
もし「人は裏切るものだ」というスキーマを持っていたら、
- 誰とも親しくならないようにする
- 相手との関係を親密になる前にすぐに終わらせてしまう
といったことで自分が裏切られることが起きないように予防するでしょう。
その他、スキーマの活性化を防ぐためにすること
「何らかの物質(薬物、酒など)を使う」、「極端な行動をとったりすることで感情を麻痺させる」などの方法をとるかもしれません。
例えば「深酒をする」「感情を鈍磨させる薬物を服用する」「むちゃ食いをする」「無謀な性行動に走る」といったことが考えられるでしょう。無茶な行動に依存したり、薬物で体や心を痛めつけてもスキーマの活性化を避けようとします。
しかし、そうした行動でスキーマの活性化を回避できるのは、その行動をしている間や薬や飲酒の効果がある間だけで、つらい感情は必ず戻ってきます。背景にあるスキーマを見直し調整しない限り、根本的な問題解決にはなりません。
注意しなければならないことは、このような回避行動は、スキーマに反する情報も同時にシャットアウトすることになってしまうので、ネガティブなスキーマや自分自身に対する感情を一層強化してしまうということです。ネガティブなスキーマや自分自身に対する感情を一層強化してしまうということです。
状況を変えるには背景にあるスキーマを見直し調整しない限り、根本的な問題解決にはならないということを覚えておいてください。