信念の基礎になっている情報を調べ直す
認知の限界について考えてみましょう
落ち込みやすい人、不安になりやすい人はネガティブな考え(ネガティブなスキーマ、ルール)に合致する情報だけを取り入れ、それと矛盾する情報は無視したり割り引いたりするという癖が強い傾向があります。
人は誰でも自分の信念やルールと一致する情報だけを選択し、発見し、確認して重要視して自分の中に取り込んでいくものですが、落ち込みやすい、不安になりやすい人は、情報選択の基礎となる信念・ルールが非常にネガティブで、様々な角度から再検討してみると、その信念やルールに非合理性や論理的破綻があることがほとんどです。(自分の信念と一致する情報だけを取り入れ、信念と矛盾する情報を無視することを心理学では「確証バイアス」といいます。)
信念やルールの基礎に非合理性や論理破綻があると、不安やうつ状態が強化されやすく継続しやすいということです。
そして、その信念・ルールによって選択され、発見し、確認して重要視した情報がドンドン蓄積され、その信念・ルールをさらに強化していってしまうため、ドンドン生きにくくなってしまうのです。信念・ルールの基礎になっている論理に非合理性や論理破綻があると目の前の肯定的な情報を無意識のうちに無視して、否定的な結論を導きだしてしまうのです。
練習の仕方
「全ての情報を検索する」を使用してネガティブな気分の情報を書き出してみましょう。
ポジティブな情報を探すことは、現実に起きている「ネガティブな出来事を都合よく解釈しようとしているに過ぎない」と感じる人もいるでしょう。その場合、自分が感じている出来事が事実でも、「立場や見方が異なる人から見ると、他の事実が存在する」という事実について考えてみてください。
「正確な事実は、全ての情報が、ありとあらゆる立場、見方から検討されなければ明確になることはない」のだということについて考えてみてください。