不安を感じやすい人が過去の良い出来事を割り引いて考えてしまうのはなぜでしょう。 以下のような理由が考えられます。

  • 規則に例外を作り出しているから。 予測していた嫌な出来事より良い出来事が時、「たまたまだ」「何か裏がある」と考えて、出来事の肯定的な側面を重要視しないことです。 「割引」と呼ばれている心理作用です。
  • 過去に起きた良い出来事が、今の不安の元になっている将来の心配事に何の影響も与えないと考えるから。 過去の事実は今後を測る指標にはなるものですが、今後何が起きるかを保証分けではありませんので、未来に確実性を求める傾向が強い人は、過去の体験を未来の出来事と全く関係ないものとして考えてしまうのです。 ですから、過去に起きた良い出来事をは割り引いて考えてしまうのです。
  • 心配していた出来事が終わったら、それまでの自分の考え方について検討し直すことが少ないから。 その結果、将来の心配事についての自分の予測が現実にはならないと考えられないのです。 人間は現実には起きなかった出来事よりも、現実となった出来事の方を強く記憶する傾向があるので(記憶処理の特性)、心配が現実にならなかったことは忘れ、現実になった場合ばかり思い出すのです。
  • 自分の考え(信念)を疑わないから。 「否定的な考えが自分を守ってくれる」 「否定的な考えをしないと周りに迷惑をかける」 と考え、考えが実際どんな影響を与えているかを考えていないということです。 繰り返し使用してきた信念を検討しなおすことは1人では中々難しいものです。

カウンセリングのポイント不安になりやすい人は、こうした理由から過去の経験から学習できず、繰り返し、繰り返し同様の心配をして不安になってしまうのです。

以下の質問に答えてみてください

  • 過去の悲観的な予測から学べることはありませんか?
  • 実現しなかった予測がありませんでしたか?
  • 予測が外れることが多いという事実を、割り引いて考えていませんか?
  • これから行う新たな予測は全て妥当で適切だと思いますか?

ステップ1

過去の悲観的な予測が現実化しなかったことがあるかを丁寧に思い出したあと、今の悲観的な予測について検討し直してみましょう。

ステップ2

現在の悲観的な思考と矛盾するような過去の事実がないかを検討し、リストにして自分が次のような傾向を持っているかどうかを検討してみましょう。

  • 現実的には断言できない保証を求める
  • 自分の信念と矛盾する出来事を検討しない
  • 間違った予測の根拠を割り引いて考える
  • 自分の信念は正しく、その信念を今後も維持するべきだと考えている

ステップ3

「視点-逆視点法」を使用して、自動思考に対して、悲観的な思考とより合理的な反応を考えてみましょう。

認知行動療法-視点-逆視点法

認知行動療法で使う「視点-逆視点法」の記入例

45:視点ー逆視点法シートのダウンロード

合理的な反応が上手く出ない場合は、他者に手伝ってもらっても良いでしょう。 そして、その合理的な反応が出た時の、自分の思考について良く検討してみましょう。 (これをもとにして誰かとロールプレイを行うと効果的です)

ステップ4

「実は間違っていた予測から学ぶシート」を使用して、今の悲観的な考え/信念と矛盾する出来事をリスト化し、なぜそのことから学べなかったのかを検討してみましょう。

認知行動療法-実は間違っていた予測から学ぶシート

認知行動療法で使う「実は間違っていた予測から学ぶシート」の記入例

46:実は間違っていた予測から学ぶシート