心配について考えてみましょう!

心配性の人の特徴

心配性の人には、

  • 望まない結果を過大評価
  • 現実的な確率を考えない
  • 出来事に対処する自分の能力を過小評価
  • 完璧な状態であることを求める
  • 曖昧な状態をひ避けようとする

といった特徴があります。

心配する事で気分を一時的に緩和するのですが、考えれば考えるほど心配する気持ちは増強されてしまいます。
(人は使ったところが強くなります:思考回路、感情の発生/伝達/フィードバック回路)

心配する事は「望まない結果が起きた時に備える」「望まない結果を防ぐ」という機能をはたして自分を守ることに繋がりますが、心配しすぎると心身にトラブルを引き起こしたり心配すること自体が新たな問題を引き起こしてしまいます。

心配を明確にしてみましょう!

いきすぎた心配とうまく付き合うためには自分が何を心配しているのか明確にして、その心配を正しく評価し直す必要があります。

心配の種類
  • 聴覚的な感覚が支配する心配
    「誰もいない海の音が聞こえる」
  • 視覚的感覚が支配する心配
    「誰もいないアパートで自分が泣いているのが見える」
  • 身体的感覚が支配する心配
    「その時のことを考えるとあの失敗時の感覚が蘇る」
  • 思考が支配する心配
    「きっと試験に落ちるに違いない」

等があります。

以下の質問について考えてみましょう!

心配を明確にする質問
  • 心配や不安を感じた時、どのようなことを考えているのですか?
  • 心配や不安を感じた時の考えはどのようなものですか?
  • 心配や不安を感じた時に視覚的なイメージや画像のようなものが浮かんだ事がありますか?
  • 心配や不安を感じた時に音や言葉などが聞こえてきたことがありますか?
  • 心配や不安を感じた時に決まって感じる感覚はありますか?
    あるとすれば体のどの部分で感じますか?
  • 自分がどのようなことで悩みそうか予測できますか?
  • 何か悪い事が起きそうだと思うことはありますか?

心配をモニターするシート記入例

心配が生じた時「心配をモニターするシート」を使って、そのときの状況、感情、具体的な内容を記入してみましょう。さらに自分の傾向について知りたい方は、「心配の傾向を知るための質問」に答えてみましょう。

認知行動療法-心配をモニターするシート

感情を区別しよう!

また「不安」とか「イライラ」などの感情と「実際の心配」と混同してしまう場合も多いようです。

  • 「実際の心配」とは「~できないだろう」といった予測や判断の事です。
  • そのような心配によって生じるのが不安や緊張といったものを気分といいます。

また「心配を明確にする」と心配している事が本当に起こる確率が高くなったり、不安や心配を強くなると考える人もいるかもしれません。そんな人は心配事を紙に書き出す前と後の心配や不安の強さを10段階で評価して比べてみましょう。本当にそうなるかを実験してみてください。

「心配事について考える事」をやめた方が心配を軽減すると信じている人もいるでしょう。
しかし、思考を停止することはとても難しく、考えるのをやめようとすればするほどその心配事について考えてしまうものです。
心配について明確にすることで、その後の評価や検討がしやすくなるかどうかを調べてみてください。