コミュニケーションの階段
話が苦手だという人の多くはコミュニケーションのなかで一番高度なスキル「読み取る」を最初にしてしまう傾向があります。
十分に聞く、十分に理解する、十分に観察する、十分に考える、十分に話すという、その前に身につけるべきスキルを使いこなせないのに、「読み取る」という一番難易度の高いスキルに挑戦してしまうと、読み取ることも、聞くこと、理解すること、観察すること、考えること、話すことすべてが不十分になってしまうので円滑なコミュニケーションが取れなくなってしまいます。
話す・聞き取る・考えるは別の作業
脳は部位ごとに異なる役目があります。ブローカ中枢は運動性言語中枢と呼ばれていて、言語処理・音声言語・手話の産出と理解に関わっています。単純に言えば喉・唇・舌などを動かして言語を発する役目している領域です。ウェルニッケ中枢は知覚性言語中枢とも呼ばれていて、他人の言語を理解する働きをします。簡単に言えば話を聞き取って理解する役目をしている領域です。前頭葉は考える(思考、実行、計画、思考、計画など)という役目をしている領域です。
これらは別の領域なので考えながら相手の話を聞いて理解し、それを話すという一連の行為をするためには、別の領域を上手に連携しながら同時に使う必要があります。コミュニケーションが苦手な人は他者とのコミュニケーションをする機会が少なかったため、こうした脳の領域の連携(弓状野が発達して連携)がうまく取れていないのです。
上達のコツ
聞き取る・話す・考えるの機能を一つずつ余裕を持って行えるように訓練し、そのごそれぞれの機能を連携させる練習をしていくと良いでしょう。
まずは「聞く」(理解する)ということに集中するようにしましょう。
そしてそれが十分にできるようになったら、(観察する)「考える」「話す」(読み取る)などの行為のスキルにひとつずつ取りくんで、これら連携を強化していくトレーニングをしていきましょう。