カウンセリングについて

ワーク51:自己内対話のワーク

スキーマを語る女性

「新しいイージースキーマができたら、あなたはもっと幸せになります。イージースキーマを作りましょう。」と言われて「そうですね。それでは作りましょう。」と直ぐにイージーズキーマ作りにとりかかれるでしょうか?たぶん、ほとんどの人はイージースキーマ作りに、すぐには取りかかれないのではないでしょうか?
新しいスキーマを作って定着させるためには、時間とエネルギーを使って心理ワークに取り組まなくてはなりません。そのために行うワークが「自己内対話のワーク」です。このワークの効果を高めるためのポイントは、単に頭の中で言葉を作るのではなく、合理的立場の自分ととペインスキーマを抱えている自分が、イメージの中で対話を行います。イメージを使うことで効果的に潜在意識に働きかけることができるので、実感が伴ったイージースキーマを作り出すことができるでしょう。

Step1

Step1ではイージースキーマとペインスキーマに分けて、対話を紙に書き出してみましょう。

合理的立場の自分からの問いかけ

ペインスキーマを抱える立場の自分からの返答

今日はどのペインスキーマについて話したいですか? 僕の根っこには「どれだけ頑張っても、人に邪魔されてすべて台無しになる」「他人は僕を邪魔する存在だ」というものがあると思うので、それについて検討したい。
そのペインスキーマを弱めたいですか? 弱めたいと思う。
その理由はなんですか? 何かに取り組む時に意欲がわかないし、チャンスを逃してしまうから・・・
そのペインスキーマとあなたの生きづらさとはどう関係していますか?
そのペインスキーマはこれまで、どう助けてくれましたか? 結果が出なかった時に、「やっぱりな」と考えることで、結果が出ないことからのダメージを弱められた。
そのペインスキーマがあなたを助けてくれていたなら、お礼と労いの言葉をかけてみましょう。
そのペインスキーマが今のままだと、今後どうなりそうですか? 目の前のチャンスを逃したり、取り組む意欲がわなない。また人と心を開いて付き合えない。
そのペインスキーマが弱まってできた心のスペースに、どんな思いやイージースキーマが育てたいですか? 邪魔する人もいるけれど、自分を応援してくれたり手助けしてくれる人もいる。
あなたの生きづらさを作っているペインスキーマと同じようなペインスキーマによって苦しんでいる人がいたら、どのように声をかけてあげますか? 過去の出来事をもう一度丁寧に思い出してみよう。色々理由をつけて重要視しなかったけれど、応援したり、手を貸してくれた人もいたでしょ。
そのペインスキーマが活性化された時、人からどんな言葉をかけられたいですか?どう接してもらいたいですか? 思い出してごらん。これまでに手助けしてくれた人や応援してくれた人がいたことを
そのペインスキーマに、どんな反論ならできそうですか? よく考えたら僕のことを邪魔したのは、ほとんど父親だよ。
そのペインスキーマを弱めるために、どんな言葉をかけ、どう接したら良いですか? 普段から意識して邪魔されたことではなく、応援されたことや手伝ってもらったことを思い出したり、探したりしよう。自分から誰かを手助けしたり、応援してみよう。
そのペインスキーマが弱まって、これからどんどん生きやすくなったら、3ヶ月後、半年後、1年後、3年後、5年後、10年後、30年後はどんな自分になっているでしょう?
あなたがいつか死ぬ時、どんな人生だったと思いたいですか?どんな人生だったと思えたら満足して死ねるのでしょうか? 何人かの人は僕の努力を台無しにしたけれど、多くの人と色々な出来事を分かち合って、共に頑張り乗り越えてきたなぁ〜
新しいイージースキーマが心の中に定着したら、毎日の暮らしはどう変わるでしょうか? 人を信じ、色々な出来事を分かち合って、共に頑張って乗り越え成長できるようになる
どう考えられたら、自分をもっと大切に扱えるようになるでしょうか?
どう考えられたら、自分にもっと優しくなれるでしょうか?
どう考えられたら、もっと自分を許せるでしょうか?
どう考えられたら、人をもっと信じられるようになるでしょうか? 時折僕の邪魔をする人もいるけれど、多くの人はそんなことをしない。時折心から応援し、手伝ってくれる人さえいる
自分をさらに成長させるためには、どんなことが必要ですか? 人の欠点や弱さを探すのではなく、長所や優しさ、温かさを探す習慣を身につける
心地よい人間関係を手にするためには、人間関係についてどんな考えができたら良いですか? 人の欠点や弱さを探すのではなく、長所や優しさ、温かさを探す習慣を身につける
どう考えられたら、過去を受けいれられるでしょうか? 部分的に切り取って覚えている過去を、「時折僕の邪魔をする人もいるけれど、多くの人はそんなことをしない。時折心から応援し、手伝ってくれる人さえいる」という新しいスキーマを元に再点検してみる
どう考えられたら、社会と関わることに価値を感じられるでしょうか?
ペインスキーマに対して、他に検討してみたいことや、さらに検討したいペインスキーマはありますか? もう大丈夫。「時折僕の邪魔をする人もいるけれど、多くの人はそんなことをしない。時折心から応援し、手伝ってくれる人さえいる」と考えると新しい自分になれそうな気がします。
では、ここまでにしておきましょう。 ありがとうございました。

イージースキーマの立場からの問いかけは、全てを使わなくても大丈夫です。
この問いかけに答えることでペインスキーマの立場からの感じ方、見え方、感じ方が明確になり、ペインスキーマを弱め、イージースキーマを強化することに役立ちそうだと感じる問いかけを使ってください。

Step2-1

ペインスキーマ・イージースキーマの対話ワーク

頭の中を合理的立場の自分とのペインスキーマを抱える立場の自分に分けて、イメージを使って2つの立場から対話をしましょう。Step1で書き出した内容をシナリオにして行ってください。
イメージの中での対話で書き出した、シナリオと違う展開になっても大丈夫です。

イメージが終わってからその展開をシナリオに書き込んでおきましょう。

Step2-2

合理的自分とペインスキーマの自分の対話

目の前に椅子を1つおきましょう。
その椅子に(イメージで)ペインスキーマを抱える立場の自分を座らせましょう。

あなたは合理的立場の自分になって、ペインスキーマを抱える立場の自分に話しかけて対話します。

Step2−1とStep2−2のどちらの方法でも良いのですが、よりイメージを作りやすい方で対話してください。
もちろん両方とも行ってもOKです。
このイメージワークの目的は、「ペインスキーマを弱めること」「より生きやすいイージースキーマを育てること」の2つです。

大切なことはペインスキーマの立場の自分を強引に説得するのではなく、合理的立場の自分がその言葉に耳を傾けお互いの立場を尊重しながら対話を重ねていくことです。
合理的立場の自分は、ペインスキーマを抱える立場の自分を理解し、援助するための言葉をかけていきましょう。


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