コミュニケーションレッスン応用編でご紹介してきたノンバーバルについて、ご質問を受ける機会が増えてきたので、これまでにご紹介してきた内容を改めてまとめ直して、わかりやすくご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。
ノンバーバルって知ってますか?
コミュニケーションというと「話す」「聞く」ということに意識が集中しがちですが、実を言うとコミュニケーションで言葉の果たす役割は10%~30%しかないと言われています。
つまり、言葉以外のメッセージがコミュニケーションでのメッセージの70%〜90%を占めているということです。
この言葉以外のメッセージをノンバーバルと読んでいます。
ノンバーバルには仕草、話し方、声の高さ、話すスピード、間の取り方など様々なものがありますが、人はこのノンバーバルを通して絶えず他者にメッセージを送り続けています。
実際に話をしている時以外でも他者にメッセージを送り続け、
- 私の言うことは信頼できますよ
- 私は誠実な人ですよ
- 私は自信がない人ですよ
- 私は人が嫌いなんです
など、様々なメッセージを送理続けているです。
- 同じことを言っているのにあの人の言うことばかりが重要視される
- あの人だって暇そうなのに、なんで私に頼むの?
そんな風に思ったことはありませんか?
もちろん、こうした現象には、それまでの関係性や地位、立場なども含まれますが、かなりの部分で
- 普段から送り続けているノンバーバル
- コミュニケーションするときに送っているノンバーバル
が大きく影響を与えているのです。
実を言うと、ノンバーバルメッセージの多くは遺伝子の情報として遺伝しているようです。
記憶が遺伝するというと不思議に感じる人もいるかもしれませんが、親に教えられなくても同じ種の鳥は形の巣を作りますし、求愛行動なども同じ行動をとります。
つまり、記憶が遺伝しているのです。
仕草を始めとするノンバーバルメッセージは、人間が言葉を獲得する以前から使っていたものですから、遺伝子の中に情報として刻み込まれ、ときを超えて受け注がれているのです。
ノンバーバルは遺伝子に刻み込まれ受け継がれてきた情報ですから、人種を超えて共通しているものも多く、その影響はとても強力です。
しかし、とても本能的で、感覚的なものでもあります。
ですから、ノンバーバルを感覚ではなく理論として理解し、自分自身が使いこなせるようになるとともに、他者の発するノンバーバルメッセージを汲み取れるようになることで、コミュニケーションの質が飛躍的に向上するでしょう。
例えば
- 人は好きな人を見つけると眉が上がります
- 人は嫌いな人を見ると目を細めます
こうしたノンバーバルの情報を意識的にできれば、相手の気持ちを上手に見極め、仲良くなったり、言葉の壁を乗り越えて通じあったり、周囲とよい人間関係を築きやすくなります。
例えば
- 人は不安になると自分の体に触れたりします
- 人は好意を持っている人におへそを向けます
言葉にならないこれらのメッセージを論理的には理解していなくても、感覚的に理解しているため、こうした情報から他者を無意識に選別したりしています。
そして、最も気をつけなければいけないことは、生活習慣から生まれたくせが何かのノンバーバルメッセージと一致してしまう場合があるということです。
例えば、絶えず自分の体を触るくせがある人は「この人は自信がないんだな」とか、話している最中に太ももを手のひらで擦るくせがある人は「この人は自分といても楽しくないんだな」と誤解されてしまうことが多くなってしまいます。
人に誤解されやすいひとは、言葉によるメッセージとノンバーバルによるメッセージが矛盾していることが多いのです。
ノンバーバルメッセージを論理的に理解して、円滑なコミュニケーションに役立ててください。