暴露法
恐怖や不安へ対処方法は2つあります。
- 恐怖や不安のなどの感情に圧倒されないように慣れる
- リラクセーション能力を高め、ホッとする感覚、心地よい感覚など快の感覚を強化する
この2つを組み合わせて恐怖や不安の強度を調節しながら、計画的に不安や恐怖を感じることで、不安や恐怖などのマイナスの感情の中和を目指す方法を暴露法と言います。
暴露法の分類
暴露技法(恐怖の対象と向き合う方法)には、1回あたりの暴露(恐怖の対象と向き合う)の時間の長さと刺激の強度から、段階的暴露と持続的暴露にわかれます。
- 段階的暴露
刺激に対する時間や強度を細かく区切って、短い時間、弱い刺激から徐々に慣らしていくやり方 - 持続的暴露
強く、長い刺激に一気に慣れさせてしまうというやり方
段階的暴露法の1つに系統的脱感作法があります。
この方法は、
- 明確な対象への主観的な反応(考え、イメージに対応する反応)
- 自律神経反応の結果生まれる緊張/覚醒が生まれる反応 不安障害など
には高い効果を発揮します。
ただし、恐怖の対象が曖昧な場合、自分の運動機能上の障害が恐怖の対象となる場合などは十分な効果が得られにくいようです。
持続的暴露はフラッディング(恐怖の洪水)とも呼ばれています。
反応妨害法(不安や緊張への対策)とセットにして成人の不安障害に対して頻繁に使われています。
フラッディングを用いる場合は、その必要性を対象者が理解して取り組む必要があるのですが、強烈な恐怖を体験する必要性を対象者が理解し、受け入れる事は大変難しい事ですし、受け入れることができたとしても、実際に取り組むためには大変な勇気の必要です。
フラッディングを一人で行うことは、とても大変な事ですし、介助者(カウンセラーなど)と取り組む場合でも、反応妨害法の十分習得と、介助者との深い信頼関係が必要です。
取り組みへの不安が大きい場合は、段階的な暴露を選択する方が良いでしょう。
回避行動が含まれない過剰な緊張(あがり症など)には、リラクセーションを反応妨害のための拮抗反応として用いると良いでしょう。
子供の場合は、段階的でかつ、イメージやリラクセーションの少ない継時接近法などが効果が高いでしょう。
継時近接法
学校への接近を徐々に促していく方法です。
はじめは、母親と一緒に校門まで、次には保健室まで、好きな科目だけ、というような段階を時間をかけて慣らしていきます。